2024年 4月 20日 (土)

<ぴんとこな>
「TBS系イケメン競演」玉森裕太の一途さ勝ち!損な役回りで美しさ生かせなかった中山優馬

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   たまには歌舞伎を見るけど、「ぴんとこな」って言葉、知らなかったなあ。歌舞伎事典で調べてみたら、どうも上方狂言系統の言葉らしい。どうりで…。

   こちとら先祖代々、埼玉生まれの関東者。幼いころ、世界中で一番良い所は江ノ島で、箱根から西には言葉の通じない鬼同然の人間が棲むと信じていたお祖母ちゃんに育てられた。一番距離の近い親戚は隣で、一番遠い親戚は東京でも板橋だった。都内の大学に通うようになるまで、池袋から先の人間と話したこともなかった。

   そんなわけで、上方関係には疎(うと)い。昔から上方漫才はどこが面白いのかほとんどわからないし、上方で人気のある芸人の芸も「?」としか思えない。で、「ぴんとこな」とは「一種の強さを持った濡事師」(『歌舞伎事典』平凡社刊)だそうだ。若いころ(片岡孝夫時代)の片岡仁左衛門みたいなのを言うんだね、きっと。

歌舞伎ドラマ買えるけど、「花より男子」より見劣り

   ドラマは、この「ぴんとこな」を目指す若い二人の役者と一人の少女との三角関係のお話である。原作は少女コミックで、同じくコミック原作で大ヒットした「花より男子」(2005年10~12月、2007年1~3月放送)につらなるTBS系イケメンシリーズだ。

   ここまで浮世離れしていれば、これはこれとして楽しめる、と言いたいけど、似たような設定の「花より男子」に比べてどうも迫力がない。見る側に、現実の厳しさがより強くのしかかってきたこともあろうが、そう何もかも大震災と原発のせいにするのも違うよな。

   主役の3人(玉森裕太、中山優馬、川島海荷)は一生懸命やっている。玉森くんは一見チャラいが、報われなくても一途にあやめ(川島海荷)を思う男気(おとこぎ)をよく表現していて、彼自身もきっと好い男なんだろうなと思わせてくれる。

   でも、ライバルを演じる中山くんは、彼の魅力が十分発揮されているようには思えない。単純な玉森くんと違って複雑な影のある役だから、ソンな役回りと言えば言えるが、生まれ持った美しさをもっと生かしてほしい。演出側にひと工夫が必要だったのではないか。

   歌舞伎界の大御所を演じる岸谷五郎、榎木孝明がひたすら無表情なのが不自然だ。原作のコミックではそうなっているのかしら。

   歌舞伎界という特殊な世界をドラマとして視覚化しようという試みは買う。それから、主題歌「キミとのキセキ」の「You're my shining star 無限の輝き」というサビ部分を聞くと、のびやかで明るい気持ちになる。(TBSテレビ系木曜日よる9時~)

(カモノ・ハシ)

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