「尼崎連続変死事件」初公判!主犯・角田美代子自殺で難しい裁判―弁護側は無罪主張

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   兵庫・尼崎などで8人が死んだ連続変死・死体遺棄事件で、実の娘による母親殺しの初公判がきのう25日(2013年9月)に神戸地裁で始まった。一連の事件の中心人物が自殺しており、いわば踊らされた人たちの追及だが、公判で明らかになった犯行の模様はまさに異様だ。

母親殺しの姉妹「マインドコントロールで心神喪失か心神耗弱状態にあった」

   この日は、死んだ大江和子さん(当時66)を手にかけた長女と次女、次女の元夫の3人が裁かれた。3人とも傷害致死・監禁・死体遺棄の起訴内容を認めたが、弁護人は「心神喪失か心神耗弱状態にあった」として、無罪か減刑すべきだと主張した。

自殺は大きかった

   事件は逮捕後に自殺した角田美代子(当時64)を中心に展開している。角田と知り合った3人は家族ぐるみの付き合いをするようになったが、子ども2人を角田があずかり、夫婦は離婚して家庭は崩壊。しかし角田と同居という奇妙な経緯をたどる。

   そして、母親の大江さんを巻き込んで、家族間で暴力を振るうような状況のなか、2011年9月に3人は角田に強要されて大江さんに殴る蹴るの暴行を繰り返し死亡させた。元夫は大江さんの遺体を倉庫に隠し、のちにドラム缶でコンクリート詰めにした。自首をしようとした長女は、次女の元夫から監禁・暴行を受けたが、逃げ出して交番に駆け込んだ。次女と元夫も自殺寸前に逮捕された。

   裁判の争点は大の大人が3人、どうして抵抗なり逃げ出すなりできなかったかだ。事件発覚当時、角田のマインドコントロールがいわれた。いったいそんなことがありうるのか。検察は責任能力ありと見るが、弁護側の精神鑑定では、角田の支配下に置かれた3人は正常な判断ができないと結論づけた。裁判では鑑定の評価が中心になると見られる。これはまた、他の死亡事件にも関わってくることでもある。

いい大人3人がなぜ逃げて警察に駆け込まなかったのか

   キャスターのテリー伊藤「角田美代子を自殺させたのは大きいですよ。結局、主犯がいないわけじゃないですか」

   司会の加藤浩次「公判では、その手口が明らかになったわけです」

   公判を傍聴した西村綾子レポーターは、「1人の人間と知り合うことで、仲のよかった家族にこんな残虐な事件が起こるのかとショックでした」という。

   本村健太郎(弁護士)は「なぜ警察に駆け込むなりしなかったのか。弁護側は『学習性無力感』という心理学の言葉を使っています。暴行・監禁が長期に及ぶと、絶望と無力感から気力を失うような状況をさします。これがキーワードになるかもしれない」という。マインドコントロールの実態ということか。

   加藤「無理だと学習してしまう?」

   本村「それが弁護側の鑑定結果で出ているんです。もうひとつ、適法行為の期待可能性がなかったというのがあります」

   異常な状態の中で期待するのが無理だと、母親を殺害しても、他に選択肢がなかっただろうと認められ責任はなかったとなる。裁判官と裁判員がどこまで理解するかだという。

   テリー「オウム真理教と似てるが、彼らは無実になってない。この件では8人が死んでいる、その最初でしょ。すべてが角田元被告のせいだというわけにはいかにと思う」

   公判は13回の予定。10月21日に論告求刑、最終弁論。31日に判決となる。人の心と行動をどこまで読み切れるか。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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