取り調べ可視化で検察有利?映像のインパクトで裁判員に有罪印象付け

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   この24日(2013年9月)の放送はもともとは4月15日放送予定で、「お蔵入り」していた企画が復活した。番組の素材の中に裁判で証拠提出された取り調べの録画映像があり、これをNHKに提供した弁護士を大阪地検が懲戒請求したことから、放送が延期されていたのだ。どういう経緯で放送せることになったのかについてNHKは説明しておらず、国谷裕子キャスターも触れなかった。

   テーマは警察・検察の取り調べの可視化である。策を弄して誘導的に、あるいは精神的に追い込んで、ときには暴力で自供を取り、都合のいい供述調書を作成する―。こうしたことを防ぐために、取り調べの録音・録画の「可視化」が叫ばれて久しい。現在は試験的に可視化の導入が行われているが、「クローズアップ現代」によると、この可視化によって「多くの弁護士が想定してなかった状況」(NHK社会部記者)も生まれているそうである。それは、せっかく映像・音声があるんだから、「映像のインパクト」を有罪の立証に積極的に利用していこうという検察側の動きである。

逮捕直後の動揺している影像を証拠提出

   父親が障害を持った9歳の息子を死なせたという事件でも、取り調べ映像が流れたという。弁護士はこの映像が裁判員に強い印象を与えたことが有罪の決め手になったと考えている。

   事件では「傷つける意図」が争点になった。父は自宅で息子が立つためのリハビリしていて、息子の体を支えていた手を離したために息子は倒れ込んで脳にダメージを負い死亡した。父親は裁判で手を離しても倒れないと思ったと主張したが、捜査段階では息子を雑に扱ってしまったなどと罪を認めたとも受け取れる供述をしていた。

   被疑者・被告が先に言ったことと後に言ったことが違っていたら、どちらが正しいのか。後には後知恵が入ってくるから、先がいつも正しいだろうか。ここで考えなければいけない(と弁護士が考えている)のは、容疑者という立場は多くの人にとって未経験であり、気持ちの整理がつかずに混乱しておたおたしたり、あわてたりすることもあるということだ。「そういった場面まで証拠にされてしまうと、被告人は当初考えられなかったような不利益を受けることになる」(木谷明弁護士)

   ただ、現実として取り調べ映像の活用は進んでいきそうだという。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2013年9月24日放送「可視化はどうあるべきか~取り調べ改革の課題~」)

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