2024年 4月 17日 (水)

ロボットが人間殺す「戦争自動化」命令なしでもプログラム通りに攻撃!兵士も民間人も識別なし

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   情報処理技術の発達でいまや無人兵器は当たり前のものになった。最先端の無人機はパキスタン、イエメンで実戦に使われている。操作しているのははるか1万キロも離れた米国内の基地だ。モニター画面で怪しいものにミサイルを発射する。音もしない。爆風もない。兵士が危険にさらされることもない。

   2006年から5年間、アフガニスタンなどの無人機攻撃に携わった空軍兵士はいう。「奇妙な生活でした。12時間戦場にいて、そのあと町でハンバーガーを食べ、恋人に会い、パーティーに行ったりするんですから」

   しかし、忘れられない光景があった。ある日、3人の標的が建物に入るのを見極めてミサイルを発射した。その直後、小さな人影が建物に走り込んだ。「男の子か女の子か。上官はイヌだといった。胸がむかむかした。イヌだなんて」

   除隊したとき、上官は5年間で殺した人数は1600人を超えたと告げた。「無人機の操縦者には爆発音も聞こえず、興奮もない。繰り返すうちに無感覚になっていた」

道路沿いの畑仕事を「テロリストの爆弾仕掛け」無人機が農婦殺害

   国連の調査では、パキスタンでは04年以降、少なくとも400人以上の民間人が犠牲になった。誤爆や巻き添えだ。パキスタン北部の小学校教師は去年10月(2012年)、自宅近くの畑で無人機の攻撃で母親を亡くした。野菜の収穫中だった。一緒にいた息子や娘も大けがをした。

   なぜ誤爆が起るのか。京都産業大学の岩本誠吾教授はこう説明する。テロリスト攻撃はテロリストを特定するわけではなく行動から割り出す。道路に穴を掘っていたら爆弾を仕掛けているなと。たとえ水道工事でもだ。だから道路沿いの畑仕事は危ない。ただの集まりをテロリストのキャンプや集会と見間違う。

   無人機攻撃の是非を問う声は高い。抗議行動やデモも盛んだ。オバマ大統領も5月(2013年)、「使用の厳格化」をいわざるを得ない事態になった。

   兵器開発の最先端は人間が制御しない自律的な兵器、ロボットの段階に入っている。最新の自律型無人機X-47Bは遠隔操作ではなく、コンピューターが自動制御している。この7月、X-47Bは初めて空母への着艦に成功した。人間を上回る完璧な着艦だった。将来的には複数の機が情報を交換し連携して偵察や攻撃を行えるようになるという。

   戦場で使われるロボットにはさまざまなものがある。運搬用のウマ型ロボットは兵士の後についてどんな悪路でも歩いていく。ハチドリ型偵察ロボットは見た目もハチドリそっくりで、建物の中の撮影まで可能だ。敵のアジトに侵入する昆虫型ロボットもある。

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