子供は親を選べない…法律が追い付いていない「婚外子と嫡出子差別」最高裁は違憲判断

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   先月28日(2013年9月)に公開された映画「そして父になる」が、世代を超えて人気を呼んでいる。物語は病院でわが子を取り違えられた家族の葛藤を描いていて、親子とは、血縁とは、家族とは何かを問いかける。「クローズアップ現代」も同じテーマを取り上げた。

   「結婚していない男女の子は、結婚した夫婦の子の半分しか遺産を受け取れない」のは違憲。先月4日、最高裁の大法廷は「婚外子」の相続差別について決定を下した。キャスターの国谷裕子は「この決定で、明治時代から100年以上続いてきた民法の規定が変更を迫られることとなり、さまざまな波紋を呼んでいます」と伝える。

結婚外の子供55%のフランス「平等に扱うこと法律で義務付け」

   最高裁の判断にたいして、「これまでの日本の家族制度が崩れる」という反発もあるが、事実婚やシングルマザーの増加で婚外子は年々増加している。いまや毎年約2万3000人、出産児全体の2%になっている。1人目はシングルマザーで出産、2人目は結婚・再婚をして出産など、同じ家族の中でも法的格差が生じる家庭も増えている。

   税制面での問題にもスポットを当てた。夫と死別しシングルマザーとして1人目を育てた西崎麻衣さんは、「夫と死別した後は寡婦控除で35万円がありました。でも、その後に再婚し2人目を出産したら、7万4000円が課税されました」と苦しい台所事情を話す。

   昨年、内閣府が行った世論調査によると、婚外子と嫡出子との間で差をつければ、将来、遺産相続や親の介護問題がどうなるのかを不安視する声が多い。国谷は「子供は親を選べません。子供目線で両方を平等に扱うべきではないでしょうか」と語る。

   取材を担当した上田真理子・NHK社会部記者は「フランスでは出生児全体の中の婚外子の割合は55%と過半数を超えています。そのため、フランスは婚外子も嫡出子も平等に扱うことを法律で定めています」と説明した。

精子・卵子提供の出産増え家族内にも法的格差

   さらに、現行の民法が制定された明治時代には想像もできなかった卵子や精子提供など、生殖補助医療による新たな家族が誕生している。その権利や格差をめぐって裁判も起きている。ある夫婦は夫が性同一性障害で、女性から男性に性が変わった。妻は第3者からの精子提供を受けて子供を出産し、夫婦は親子関係の確認を求めて裁判を起こしたが、判決は「血のつながりがないので親子とは認められない」というものだった。国谷はゲストの棚村政行・早稲田大学教授に「生殖医療は今後盛んになるといわれています。すでに、毎年100人近くが出産され、これまでの累計は1万5000人に及んでいます。そうした中で親子ではないと判断されたら、それまでの家族関係はどうなるのでしょうか」と聞く。

   棚村教授「現行の民法が想定していなかった事態が起きて、時代が法律の先を行っています。時代に合った法律に変更する必要がありますね。そのためには、婚外子も嫡出子も平等に受け入れる社会の仕組みが求められます。また、国民もこれからの国や社会、家族の在り方を考えるべきです」

   婚外子と嫡出子を平等に扱うと「日本の家族制度が崩れる」と言うが、そんな家族制度は崩れたほうがいいのではないのか。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2013年9月30日放送「家族とは?親子とは?揺らぐ法制度」)

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