「消費税8%」見返りは大企業優遇…低所得・年金者には一回こっきりの1万5000円

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「われわれには重税になっている感じしか残りませんね」

   消費税率を来年4月(2014年)から予定通り8%すると表明した安倍首相に、低所得者層や年金受給者から一斉に不満の声があがっている。アベノミクスの最終目標であるデフレ脱却が依然として不透明のなかで、増税にカジを切った是非を番組が取り上げた。

所得の少ない世帯ほど『重税』

   反発が大きかったのは、消費税増税と同時に決めた5兆円規模の経済対策の中身だ。復興特別法人税の1年前倒し廃止、東京五輪の対策事業、給与増額促進減税、中小企業の投資促進減税、住宅ローン減税などだが、圧倒的に企業向けが目立つ。街で聞いた女性からはこんな落胆の声が聞こえてくる。

「うちの旦那の給料はまったく上がっていないですし、給料を上げるつなぎの対策だといって、もうまくいかないと思いますよ」
「大会社を優遇するっていうのが前面に出ている。われわれには重税だなっていう感じしか残りませんね」

   消費税増税で負担が重くのしかかってくる低所得者層や年金受給者に対しては、最大で1万5000円という1回きりの細々とした給付措置だけ。その内訳は、住民税非課税世帯に一人当たり1万円支給、年金や児童扶養手当などの受給者世帯は5000円上乗せというものだった。

   年間188万円の年金で生活する77歳の女性がこれには悲鳴を上げた。「1万5000円1回きりですか。へぇ~、そんなのなんにもならないわよね。足りないというかバカみたい」

   低所得者ほど生活必需品の占める割合が高く、消費税の負担は大きくのしかかる。とくに、年金受給者は負担が大きいうえ、1日から物価下落の名目で支給額が減額されダブルパンチを受ける。首相官邸前に年金受給者が集まり、「年金の減額は許さないぞ!」と訴えた。

「企業大儲け→賃金上昇→みんなハッピー」そんなにうまくいくのかい?

   何ゆえに企業優先の経済対策となったのか。みずほ総合研究所シニアエコノミストの山本康雄氏は安倍政権の経済政策の考え方をこう解説した。「設備投資などの企業活動を活性化して企業の業績を増やし、賃金を引き上げさせる。それによって個人消費を増加させ、税収につなげるサイクルを想定しているのです。このサイクルが今回の経済対策が企業向け中心になった背景にあります」

   コメンテーターの萩谷順(ジャーナリスト)はこう政府に注文した。「来年4~6月の経済指標を見て、さらに10%を判断するといっています。とんでもないと私も思いますが、問題はその先に15%、20%が視野に入っていることです。ただ、これは日本経済に対する信認を確保するという意味で避けられない道で、そうしないと年金生活者はもっとすさましい破局が襲うことになります。

   個人の問題と国際経済の中で全体をどう考えるのか。政府は詳しくきちっと説明する必要があると思いますね」

   それにしてもデフレ脱却し、新たな経済成長につながるかは現時点でまったくの不透明である。そんななかで、小出しではなく、予定通りの増税でうまくいくのかどうか。アベノミクスが一時的なアベノバブルで終焉する可能性もある。

文   モンブラン
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