楚々とした女の「突然の凶悪」取り替えトリックの裏の愛憎…森村らしい二重構造作り過ぎ
<森村誠一の終着駅シリーズ-悪の魂>(テレビ朝日系)

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   例によって刑事・牛尾(片岡鶴太郎)が殺人事件を解決する話。公園でベンチに座って静かにひっそりと死んでいた若い女・書店員の友子(清水美沙)は首を絞められての窒息死であったが、物静かで達観したような姿に牛尾が疑問を持つ。もう1人の女はパートで働いている川名(国生さゆり)で、この2人はたった1回しか会っていないのに、友子が末期がんの自分の死後、保険金の受取人を、いとこから川名に変更したことがわかる。
   2人はそれぞれが文学好きで作家になろうと習作も書いていた。川名は友子の死後を見計らったように別名で小説のコンクールに応募し、ベールを脱いで有名作家の仲間入りをする。テレビでももてはやされるが、ここからは結末につながるので…だ。つまり、執筆者取り替えのトリックと、人間の愛憎が入り混じった森村誠一らしい二重構造の話なのだが、如何せん作り過ぎ。作為過剰。
   若くしてがんを患った友子が、医者に宣告された時に、「罰が当たった」とつぶやいたのは、12年も日陰の身で愛していた弁護士(益岡徹)との逢瀬を目撃して難癖付けてきた男を衝動的にメッタざししで殺した過去の悪のこと。突然の凶悪さが、楚々とした若い女の体内にもあるという作家らしい視点は面白かったし、作家志望のおとなしい若い女の突然の爆発はありうるかもと思ったのである。清水美沙はかつては主役級だったのに、影が薄くなってわびしい。(放送2013年9月28日21時~)

(黄蘭)

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