流された愛犬やっと描けた!震災で傷ついた子供たちの心…深く静かに伝わる哀しみ
<明日へ~支えあおう つながれ地球! 海を越えた一枚の絵>(NHK総合)

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   子供地球基金という団体がある。鳥居晴美という美しい女性が主催しているボランティア団体である。彼女は世界中を旅して子供に絵を描かせている。不安な地域に生きている子供たちが、絵を描かせるとその内面を窺がわせる表現をする。今回は震災で大きな痛手を負った宮城県の亘理町へ行った。世界の子供たちに東日本大震災の状況を伝えて、描いてもらった巨大な絵を携えて。
   その絵の真ん中にはまん丸く大きな白い余白があって、周りを世界の子供が描いた絵が取り囲む。カラフルで楽しい絵だが、それぞれに東北の子供たちを思って描いている。真ん中の白い丸に震災に遭って心が傷ついた子供たちが仕上げをした。ある少年は、家族は無事だったが、小さい時から一緒に育った愛犬アンディ―を津波で亡くした。目の前で命を落とす愛犬の姿を見て、少年は深く傷つき、哀しみをこらえて想像の世界の恐竜の絵しか描けなかった。
   今回彼はやっとアンディ―の顔を真ん中の白いところに描けた。月日が彼を癒したのか、少し表情も柔らかくなっている。別の少女は津波から2階に逃げた時、母親に「ママ、ちゃんと息して」と声をかける壮絶な体験をした。彼女は紫や灰色の抽象画しか描けなかったのに、今は明るくなりつつある。この子供たちの生涯のトラウマを絵が癒す効果があるかどうかは未知数だが、声高の被災者たちの糾弾よりも、よほど震災が与えた心の傷を深く描き出している。(放送2013年10月6日10時5分~)

(黄蘭)

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