2024年 4月 25日 (木)

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出版界は女性トラブル・艶聞も「肥やし」 かくいう私も…

   私がいた出版社には、女性問題を抱えた先輩や同輩、後輩がいくらでもいた。社内の女子社員を妻と愛人にして、定年過ぎた今でも続いている先輩。年の離れた女性編集長と海外でも逢瀬を重ねていた元上役。今はない『噂の真相』に部下の女性との『逢い引き』を隠し撮りされた某週刊誌編集長。愛人が8人いて、1週間では回りきれないと嘆く後輩。人気女性ミステリー作家とW不倫で刃傷沙汰にまで発展してしまった某局長。漫画家と編集者の不倫など掃いて捨てるほどある。

   私が『月刊現代』にいた頃、朝、編集部に行くと、アルバイトの女の子が一枚のFAXを持ってきて「これどうしましょうか」と聞く。見てみると、他のアルバイトの女性が、彼女に横恋慕している先輩に対する『怒り』の文面だった。彼女に対して件の先輩が、オレと付き合わないのだったら編集部にはいられないようにしてやるといったというのだ。そんなことをいうとは見えない優しい先輩なのだが、彼女は他人が見るとわかっていながらFAXを送ってきたのである。女の怒りは怖いと思ったものだ。

   だが、女性問題で出世ができなかったとか更迭されたという話を、私は知らない。出世できなかったのは編集者としての資質に欠けていたのだろう。私も花田さんも、編集長になる前に身体検査をされていたら、編集長にはなっていないだろう。

   セクハラというのも嫌な言葉である。編集長になってから「ヘア・ヌード」という言葉をひねり出し、毎号ヘアの出ているグラビアページを女の子に持たせて、校閲などに持っていってもらった。当時、アメリカの支社に行って驚いたことがあった。半数以上が女性だったが、『週刊現代』や『フライデー』が回覧されるとき、ビニールでくるまれているのである。女性たちの眼に触れるとセクハラで訴えられるからだと聞いた。今なら、私が編集部の女の子から訴えられれば、間違いなくセクハラである。

   週刊朝日の前編集長の行為は、私から見ても度を越していると思うから更迭は致し方なかろう。編集者が女性関係にルーズであっていいとは思わない。だが、男女関係の機微は編集者の肥やしでもある。

   私は後輩編集者たちによくいう。酒を飲んでも異性と付き合っても、映画を見ても旅行に行っても、すべてが仕事に結びつくなんてものは他にはないのだから、編集者は素晴らしいのだと。身体検査をやり出すと、今でもおもしろい編集長が少ないのに、沈香も焚かず屁もひらず人間ばかりになるはずである。それではおもしろい雑誌はつくれないと思うのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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