いまや主要な輸出部門「日本の生活習慣」ゆったりつかる清潔な風呂、栄養・衛生に配慮した社員食堂…

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   日本を代表する輸出部門である自動車、ハイテク、アニメに静かな異変が起きている。キャスターの国谷裕子は「中間所得層が激増するベトナムや中国などの新興国で、いま注目されているのが食事や健康など、日本の質の高い生活習慣です。この新しい市場に日本式の生活習慣を輸出する日本企業が現れていますが、新たなビジネスチャンスになるかどうかを探ってみました」と説明した。

中国で引っ張りだこスーパー銭湯「極楽湯」

   きれいな風呂にゆったりと身を沈める中年男性。「お風呂の底が見えるほどお湯はきれいだし、変な臭いもしない」と話す。どこの下町のスーパー銭湯かと思える光景だが、今年2月(2013年)に中国・上海にオープンした日本のスーパー銭湯業界最大手「極楽湯」の中国1号店である。施設内には入浴後に家族団欒で食事を楽しめる施設もある。いまや上海の人気スポットナンバーワンだ。

   中国には病気療養など以外で湯につかるという入浴文化がない。いまもシャワーのみだが、その水質にそもそも問題が多い。極楽湯は1時間ごとにスタッフが水質検査を行うなど衛生管理を徹底している。

   現地法人代表の椎名晴信氏は「オープンから8か月たちまちしたが、女性同士や家族連れのお客さまが増えています。この他、現在では中国全土約100か所から引き合いが来ています」と話した。

   日本の大手食品企業「ギャラクシーシダックス」は、ベトナムで栄養バランスを考えた学校給食や社員食堂などの献立作りを主導している。ある工場の従業員は「これまでの昼食は仕出し弁当みたいなものばかりだった。でも、それが栄養面や衛生に配慮したものに変わり、今はランチタイムが楽しみだ」と日本式食堂を歓迎した。

新興国が求める「日本の生活ソフトウェア」

   妹尾堅一郎(産学連携推進機構理事長)は「日本的な健康面や栄養面に配慮したサービスが発展著しい新興国とうまくフィットしています。これまで、日本の輸出産業は自動車やハイテク機器などハード製品が主役でしたが、健康や衛生管理などのソフトに重きを置いたものが求められています」と説明する。

   国谷「いまは日本の生活習慣が相手国に一定程度は受け入れらていますが、このままで新たな輸出産業の柱となるでしょうか」

   妹尾「現地の生活習慣と日本の生活習慣は違います。ですから、そのまま持ち込もうとすれば反発が起こる可能性もあります。日本の生活習慣をベースに、相手国の生活習慣にどのような提案をしていけるのか、そこがポイントです」

   国谷「日本の生活習慣が世界からどう見られているかという、私たちの認識も必要ですね」

   妹尾「日本は欧米化を進め、生活スタイルも欧米風になりました。でも、玄関で靴を脱ぎ、土足で家の中には入らないという文化は今でも残っています。日本の生活習慣を海外からの目で見てもらい、見直す部分があるかもしれません」

   われわれ日本人よりも、海外の人の方が日本の生活習慣の良さに気付いているということも多いだろう。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2013年11月11日放送「新戦略『日本式』生活習慣を輸出せよ」)

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