2024年 4月 19日 (金)

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三谷幸喜「清州会議」よくできているけど…黒澤明を越えたは大袈裟だよ

   昨夜14日(2013年11月)、友人と会う約束をしていたが、彼の奥さんのほうに不幸があったというので急遽キャンセルになった。そこで、見ようと思っていた映画「そして父になる」に行きたいと思って探したが、新宿ピカデリーでは16時の回で終わりになっていた。何かないかと探していたら、『週刊新潮』の福田和也氏のコラム「世間の値打ち」で三谷幸喜監督の「清洲会議」を絶賛している。

   <黒澤明の戦国物を凌駕した最高のエンターテイメントと評価されるべき作品です>とまでいっている。私は福田氏の映画を見る目を信じているほうである。これまで彼が賞賛してる映画を見に行ってがっかりしたことはほとんどない。それに、清洲城は以前に信長と今川義元が雌雄を決した桶狭間の戦いを調べに行ったときに立ち寄り、古の信長の野心に心を馳せたことがある。これは見に行かなくてはと、あわててオンラインで6時05分の回の予約を取って出掛けたのだが、館内は木曜日の夜というのにガラガラなのは、はて、どうしたのかと気にはなった。

   信長が本能寺で明智光秀に殺され、織田家の跡継ぎをどうするかという「評定」が行われる。役所広司演じる柴田勝家と大泉洋演ずる羽柴秀吉が互いに主導権を取り合い、丁々発止の駆け引きをするというお話なのだが、始まってすぐウトウトしたためか(このところどんな映画を見ても最初のほうで寝てしまうのだ)、織田家の行く末を決するという緊迫感や秀吉の天下統一にかける野望が、さほど伝わってこないのである。

   大泉はよく演じている。秀吉の妻・寧役の中谷美紀も百姓女を骨太に演じていたし、佐藤浩市は煮え切らない役を過不足なく演じてはいたが、映画的なスケールに乏しい。これは舞台で演るもので、わざわざ映画にしたのはなぜなのかと思わざるをえない。私には、福田氏のように、ユーモアもペーソスも感じられなかった。

   館を出て新中野へ出た。無性に燗酒が呑みたくなって、駅近くの「平田屋」という串揚げの店で、一合380円の酒と6本セット480円の串揚げを頼んで、チビチビやりながら映画のことを考えてみたが、どうしてもあの映画が黒澤以上だとは思えないという結論に変わりはなかった。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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