2024年 4月 25日 (木)

習近平体制発足から1年!ボロボロ中国2つの道「もう1度革命か」「民主化か」

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   中国の新指導体制が発足して1年がたった。「海洋強国」を掲げて資源確保を目指して軍備増強を進める一方、国内では天安門前の車の突入・炎上事件、山西省の共産党ビル爆発事件など、党や政府に強い不満を持つ民衆の過激な動きがエスカレートしてきている。

   習近平体制は格差是正や腐敗撲滅を強く打ち出し、民衆の不満解消に力を入れているが、政府に向う民衆の怒りに対しては厳しい取り締りを行っている。国谷裕子キャスターが北京から2回シリーズで「模索する中国」を放送した。1回目は行き場のない不満、怒りはどこへ向うのか。

利権むさぼる共産党幹部、生活苦の民衆…階級なき社会のはずが階級衝突

   深刻化する格差拡大、蔓延する役人の腐敗、強引な土地の強制収用、食の安全や環境への不安・不満は爆発寸前だ。体制への求心力の源泉だった経済も2ケタ成長の勢いはなくなり、いまや富裕層の国外移住や資産移転が後を絶たないという。先に開かれた共産党中央委員会全体会議で、権力乱用や幹部の腐敗に対する取り締り強化を打ち出したのも、このままでは民衆の不満を抑えきれないという危機感があったからだろう。

   新指導部が力を入れ、盛んに宣伝しているのが「大衆路線」だ。国営テレビは「すべては大衆のためにある」というスローガンを掲げ、頻繁に特集を組む。地方政府では「公金のむだ遣いはないか」「風紀の乱れはないか」などを幹部たちが相互批判し、ときにはそこに習近平が出向いて指導することもある。その様子もテレビで流される。

   そうした腐敗がはびこる現状について、中国社会の矛盾を描いて人気の作家・余華氏はこう話す。余華が文化大革命から改革解放に向うなかで倫理観を失っていく中国を描いた著書『兄弟』は100万部以上を売り上げ、各国語に翻訳されている。

   国谷「取材で印象に残ったのは、中国は『階級社会』だという言葉です。若い人たちは自分たちの将来に希望が持てない言葉と思えました」

   余華「その通りです。階級に関しては奇妙なことが文化大革命のときから続いています。革命の時に地主や資本家は罵倒され、役人たちは失脚させられました。ですから階級というものがなくなった。それなのに毛沢東は階級闘争を忘れるなと発言していました。この言葉は枕カバーにも書かれ、寝ている夢のなかでも忘れるなと言わんばかりでした。

   ところが、改革解放の後、階級闘争という言葉を耳にすることはなくなってしまった。今の中国では階級が生まれているだけでなく、階級同士の衝突が起きています。空前の格差によって、その衝突は激しさを増すばかりです。文革の時とは正反対に、階級闘争は忘れて下さいと言わんばかりです」

   国谷「激しいスピードで経済成長を遂げてきたと同時に、腐敗も急速に進んでいきましたね」

   余華「腐敗の深刻さはひどくなるばかりです。皮肉なことに、中国の経済成長はこの腐敗が生み出してともいえます。権力の集中する中央集権の政治体制だったからできたスピードでした。たとえば、ある都市では、土地を持っているのも使い道を決めるのも、その街の共産党書記です。どの場所の何を壊すか思いのままです。そんな社会でビジネスをしようと思えば、国内、日本、欧米、韓国のビジネスマンも政府の役人と付き合う必要があります。その関係によって利益が生まれるのですから、腐敗が起こらないわけがありません。腐敗が中国社会を覆ってしまいました」

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