食品ロス800万トンもったいない!賞味期限たっぷり残っているのに次々廃棄

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   まだ食べられるのに消費者の手に届く前に食べ物が捨てられている。その量は年間400万トンといわれている。コストアップを招き、ゴミも増やす。キャスターの国谷裕子は「食品ロス全体の総量は年間約800万トンといわれています。このうちの約半分が消費者の目に止まる前にメーカー、卸、小売りの各段階で捨てられています。背景には消費者の残り賞味期限が長く、より新鮮なものをという強い欲求があります」と伝えた。

ゴミ処理センターに運び込まれる未調理の野菜や缶詰、封の切られていない豆腐…

   京都市と京都大学は共同でゴミ処理センターに運び込まれたゴミの調査をしている。そこでは、未調理の生鮮野菜や缶詰、封の切られていない豆腐など賞味期限が切れる前の食品が次々と出てくる。調査にあたっている浅利美鈴・京都大学助教は「これだけのゴミが出る背景には消費者のより新鮮なものをという欲求とともに、スーパーや小売りが新鮮な商品を揃えて客足を伸ばしたいという思惑が働いていると思います」と分析する。

   さらに、食品ロスが出るもう一つの要因として15年前から始まった食品業界の3分の1ルールがある。生産・出荷から賞味期限切れまでの期間をメーカー・卸、小売り、消費者という流通過程で3等分し、それぞれの期間内に各流通段階を通過しなかった在庫商品は、その時点で排除するというものだ。

   大阪のある物流センターでは、常時7500品目300万個の食材がストックされているが、このうち6万個はセンターから出る前に処分されてしまう。卸関係者は「賞味期限切れの前に捨てるのはもったいないが、業界のルールです。仕方のないことです」と複雑な表情で語る。

「3分の1ルール」見直せ!期限迫った食品を割引販売

   こうした商慣習を見直す動きも始まっている。今年9月(2013年)、食品メーカー、卸、小売りなどが連携して、3分の1ルールを緩和しようと試みられている。出荷から賞味期限切れまでを3等分ではなく、2等分にするというものだ。ある飲料メーカーの担当者は「3分の1ルールでは、たとえば9月に200ケースの廃棄が出たものが、2分の1になってからは10月にわずか3ケースで済むというようなことです」と期待する。

   小売りでも客とのコミュニケーションを深めることで、食品ロスの削減につなげる実験が始まっている。福岡県にあるスーパーは仕入れ情報などを正確に消費者へ伝えるだけでなく、賞味期限切れまであと10日ほどになったような商品は3%引きで提供する。

   小林富雄・中京学院大学准教授はこう解説する。「3%の割り引きは割引率から見たら低いですが、正確な商品情報を顧客に伝えることによって、店と客の間に信頼関係が生まれます」

   国谷「これ以上の食品ロスを防ぐためには、何が必要でしょうか」

   小林准教授「スーパーに来る消費者の76%が、買うものを決めずに来店しています。そのため、店側は欠品を恐れ新鮮な食品を数多くと考え、食品ロスが生まれる温床となっています。消費者に商品の説明と、納得して買ってもらうという姿勢が必要でしょう」

   賞味期限切れ間近の商品を割引販売すると、今度は新しく仕入れた正価の商品の販売が減る。小売りとしても痛しかゆしだろう。過剰生産・過剰流通をそろそろやめることが解決策なんだろうな。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2013年11月25日放送「このままでは『もったいない』~動き出した食品ロス対策~」)

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