在宅介護の修羅場!「ドキュメンタリスト相田洋」撮り続けた認知症母との悪戦苦闘―続けてほしいNHK問題提起
<NHKスペシャル 母と息子の介護記録~認知症800万人時代への処方箋>(NHK総合)

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   相田洋と言えば気鋭のドキュメンタリストだった元NHKマンで、「電子立国 日本の自叙伝」などのスペシャル番組で喝采を浴びた人だ。彼が99歳で亡くなった母親の認知症を小型ビデオで撮り続けた記録と、それを見ながら在宅介護の現状を語り、アドバイスもする医者や看護師や支援の介護士たちの座談で構成されている。
   排泄の物凄いシーンもあれば、ほのぼのと長男・洋(ゆたか)に語りかける、老いたりといえども知的で負けていない認知症の母もあり、相田の個性でもあろうが、悲惨な介護の中でも陽気でホッとする感じがあっていい。しかし、現実には「撮りはじめると少し気が楽になった」とステラ誌上で介護の大変さを暗に述べている。
   介護は千差万別で、このドキュメントが在宅介護の修羅場で悩んでいる多くの人々の参考になるとは一概に言えまい。何といっても元NHKマンの恵まれた環境の人だと白い目で見る向きもあるかもしれないが、相田でさえ、孤軍奮闘して悩み、もっと公の利用機関があったにもかかわらず知らなかったと言っているところを見れば、困っている人たちへの一定の啓蒙効果はあったかもしれない。
   どんな人間にも老いてゆく親の問題は平等に降りかかる。NHKが別の日の「漂流認知症」等、近頃力を入れてドキュメントを作っている姿勢は大いに評価されるべきで、さらに続けてほしいと思う。今や、家族の恥でも何でもなく、日本中の共通の難問なのだから。(放送2013年11月23日21時~)

(黄蘭)

採点:1.5
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