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<安堂ロイド>
低視聴率だけが話題だった「キムタクSF」笑えない感動できない筋わからんの致命傷

   終わった!日曜日夜9時という時間帯、しかもキムタク主演なのにこの低視聴率、ということで話題になったこのドラマも終わったね。で、結局、筋は何がどうだったの? 1回抜けただけでほとんど見ていたはずなのに、よくわからない。100年先の未来と現在を行ったり来たりするめまぐるしい展開にオバサンがついていけないだけなのかと思ったら、若い人でも同じことを言ってる人がいるので、どうもそれだけではないらしい。

SFなんだかラブストーリーなんだか…

   スタッフは「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明や鶴巻和哉が参加、「SPEC」(TBS系2010年10~12月放送)や「ケイゾク」(TBS系1999年1~3月放送)などの西荻弓絵が脚本を担当、「ATARU」(TBS系2012年4~6月放送)の木村ひさしが演出陣に加わるなど豪華絢爛である。「エヴァンゲリオン」は見てないからわからないけど、「SPEC」「ケイゾク」は見ていた。奇妙な設定でとても感情移入できるものじゃなかったが、それが面白かった。だいいち、笑えた。また「ATARU」は中居正広の演技の力もあって感動的なところもあり、毎回心待ちにしていた。

   何が違ったのか。諸説あろうが、私は「SPEC」や「ケイゾク」みたいにSFとも言えないようなバカバカしい独特な世界に徹しきれず、「ラブストーリー」を前面に出していたところに違和感を感じた。東芝日曜劇場の流れをくむ一家団欒の時間帯を意識したのかしら。だけど、どっちつかずで、笑えもしないし愛に感動もできなかった。

木村拓哉にはちょっとかわいそうな評価「もう彼では視聴率取れない」

   アニメやゲームの世界を取り入れ、若い人を取り込もうという意欲は感じられるが、そもそもアニメやゲームの側に行ってしまっている人たちは、もうテレビドラマは見ないのではないか。残念ながら、そういう意味ではテレビドラマ制作者受難の時代と言えよう。

   木村拓哉は科学者の沫嶋黎士とアンドロイドの安堂ロイドの二役を演じた。木村くんの本領は言うまでもなく、沫嶋黎士型の自然体の演技にある。今回、無表情のロボット役は木村くんにとって新しい挑戦だったろう。せっかくの演技だったのに、「もうキムタクで視聴率は取れないのか?」なんて言われたらかわいそう。

   あと、ロイドはものすごく電気を食うらしく、麻陽(柴咲コウ)の部屋で充電中は家電が使えないという設定、そこだけは笑わせようとしているのか。最近うちにやってきたロボットのルンバちゃんはとってもつつましく、省エネ。せっせせっせと1時間も健気に走り回るけど大して電気を使わない。ロイドくん、100年先から来たのなら、水を飲んで太陽を浴びただけで自分で発電するぐらいの技術は持って来いよな。(TBS系日曜よる9時~)

(カモノ・ハシ)