俄然面白くなった「都知事選」細川ひとり勝ち?舛添ダブルスコアで優勢とある調査

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「安倍政治」「原発」にNO突き付けるかどうかの大いくさ

<「都知事選で細川、小泉コンビが街頭演説に立てば、舛添はおろか、誰を立てても勝ち目はない。その勢いの前には、安倍首相が舛添の応援に立っても霞んでしまう。首相は小泉さんと比較されるのが恐くて演説に立てなくなるのではないか。
   かつて小泉さんが自民党総裁選で田中真紀子の応援を得て旋風を起こしたような状況が再現されかねない。『風』が吹けば、猪瀬前都知事をはるかに凌ぐ500万、いや600万票を獲得するかもしれない」>

   いよいよ細川護煕・小泉純一郎の元総理連合が「脱原発」を旗印に都知事選に打って出ることになった。大都市とはいえ一首長選挙が全国の関心を集め、3・11以降初の「原発YESかNoか」の「国民投票」になるのだ。

   引用したコメントは『週刊ポスト』の「細川・小泉連合なら都知事選『圧勝』」の中での自民党都連幹部のものだが、自民党は戦々恐々のようである。

   そのうえ、細川都知事が誕生すると安倍政権のダメージはただならないというのである。まず、東京都は東京電力の大株主であり、都知事は東電の経営に大きな発言力を持つ。安倍政権は東電・柏崎刈羽原発の再稼働を推進しているが、「原発ゼロ」の細川都知事が誕生すれば、小泉氏とともに真っ先に再稼働反対を突きつけて、安倍政権と全面対決になるはずだという。

   また、安倍政権が五輪に合わせて解禁しようとしている「お台場カジノ構想」についても、「東京にカジノはいらない」と拒否する可能性があると、細川氏を古くから知る大臣経験者が語っている。

   今度の都知事選挙は大都市東京の今後を占うというだけではなく、安倍首相の政権運営や彼の考える「原発推進」「戦争のできる普通の国」に対して、「NO」を突き付けるか否かの大いくさになるというのである。

   『週刊文春』によると、細川・小泉連合の原発政策についてのブレーンは元経済産業省の古賀茂明氏だそうだ。古賀氏は1月9日付(2014年)のツイッターでこう書いている。<「脱原発」が都知事選のテーマになって来ました。でも、脱原発だけでは争点としては不十分。「原発ゼロ」でもまだ不十分。「原発即ゼロ」かどうかが本当の争点です。今既に原発ゼロ状態。即ゼロでなければ、再稼働を認めることになります>

   その古賀氏を中心に、細川陣営ではこんな公約が検討されていると陣営関係者が明かしている。<「安倍政権が進める国土強靭化による土建国家とは一線を画す、環境重視で反原発の五輪を細川陣営は目論んでいます。たとえば、原発による電力を一切使わず、自然エネルギーをふんだんに使った五輪を謳ったらどうなりますか。仮に細川氏が都知事に当選し、世界各国を五輪関連で行脚する際に、原発ゼロの自然エネルギー五輪を説けば、反対する国などないでしょう。そうなれば、安倍政権は原発再稼働、原発海外輸出の路線から、大きな転換を余儀なくされるのではないですか」>

   週刊文春によれば、すでに選挙スタッフやボランティアのジャンパーなどに使われるテーマカラーも「グリーン」に決定しているという。

猪瀬前知事よりお粗末「殿の佐川急便1億円」金額2倍で説明も二転三転

   何やら早くも細川氏の一人勝ちのようだが、そうではないと真っ向から反対するのは『週刊新潮』である。巻頭の大特集「『環俗陶芸家・脱原発元総理』連合VS.『絶倫政治学者』」で、どっちも大俗物だと批判しているのだ。

   当然ながら、東京には大きな問題が山積していて、脱原発だけを争点にするのはおかしいという声がある。週刊新潮で政治評論家の浅川博忠氏がこう指摘する。<都は少子高齢化対策など喫緊の課題として、「介護施設の整備拡充」「託児所の増設など待機児童問題の改善」の他、「直下型地震への防災対策」「物価の安定や食品の安全など都民生活の防衛」という4本の柱を抱えている。本来ならこうした都民に直結するテーマが争点にならなければならないのに、小泉人気をバックに脱原発のワンイシューを訴える細川さんは的外れと言わざるを得ない>

   これはその通りで、細川陣営でも「脱原発」以外の政策は出さないということはなかろう。

   週刊新潮の批判は、陶芸家としても名高い細川氏の「芸術家としての力量」までまな板に乗せる。美術評論家の藤田一人氏は、彼は基本的にアマチュアで、陶芸家が持つスタイルを持っていないと語る。だが、値札のほうはトップクラスのようである。細川氏が庵を結ぶ湯河原にある某博物館の売店では、「信楽茶碗75万円」の値札が付いているというし、個展を開くとすぐに完売してしまうそうだ。

   最近は襖絵に凝っているようで、このほうも相当な評価を受けていると週刊文春では報じている。正伝永源院(京都市)の襖絵がそれだという。真神仁宏住職がこういっている。<「京都の春夏秋冬を描いていただきました。昨年末に完成した『冬』は、建仁寺や清水寺が雲間から顔をのぞかせている雪景色で、それは精緻なものです。『誰かに描かしてるんちゃうか』と冗談半分に思っていたんですが、サイズが足りない部分を私らの前でササっとうまいことを描いていましたわ(笑) 。暮れにお会いした時は『次の作品は三年ぐらいかかる』と言ってはりました」>

   次の作品とは1300年の歴史を誇る奈良・薬師寺の襖絵のことだそうだ。これで素人というのは無理があるのではないだろうか。

   だが、当然ながら細川氏といえども叩けば埃のでない身体ではない。やはり出てくるのは、総理在任中に出てきた世にいう「佐川急便1億円借り入れ問題」である。週刊新潮によれば、その実態は猪瀬直樹前都知事と全く同じか、むしろ金額は2倍でより悪質だったのだと指摘している。

<発行人の名前も印もない手書きの領収書。この紙切れ1枚で当時、細川氏は事態収拾を図ろうとした。(中略)徳洲会からの5000万円裏金疑惑に揺れた猪瀬前知事が、不自然極まりない借用書で事実を覆い隠そうとした構図とキレイに重なる>(週刊新潮)

   そのとき追及の急先鋒となった深谷隆司元通産相がこう語っている。<「我々は闇献金疑惑として追及しましたが、彼は82年に借りたお金で、すでに返済したと主張した。熊本市の細川邸の山門や土塀の修繕費として2300万円、元麻布のマンション購入に7700万円を使ったと説明しました。しかしマンションは借入前の購入で、細川邸の修繕は、1~2年後。この点を衝くと、彼の答弁は二転三転した。そのうち、佐川から貰った領収書の一部の控えが本社に残っていたと言い出した。それで示したのが、問題の領収書でした。ご覧の通り、インチキな代物です。しかも1000万円分しかないという。お粗末ぶりは猪瀬さんと一緒でした」>

   それで嫌気がさしたか、すぐに総理の座を放り出してしまったのである。在任わずか9か月。こうしたところも気になるところではある。細川氏の資産は5~6億円あるといわれるそうだが、すぐに動かせるまとまった現金がないと、彼の知人もいっている。今回の選挙資金はどうするのだろう。

   週刊新潮はまた、かつて『細川の女』と噂された博多屈指のクラブの元ママに「殿のせいで1億円も損したわ」といわせている。

応援団長の小泉元首相は宴席でエロ話ばかり「俺の男は炉心溶融。だから脱原発なんだよ」

   週刊新潮の追及は細川氏を応援する小泉氏にも向けられる。小泉氏の脱原発理論の中でよく使われる「原発は核廃棄物最終処分場建設の目処が立たないトイレなきマンション」という考えは明確に不勉強だと批判している。東工大の澤田哲生助教曰く、「原発を即ゼロにするにしても、既にある使用済み核燃料を処分しないといけないことに変わりはありません」>

   そもそも『糞』は既に存在しているのだというのだ。そして『トイレ』は着々と整備されつつあるというのである。これは選挙の中で論戦を戦わせてほしいものだ。

   さらに小泉氏の「エロエロ」話にまで『八つ当たり』する。昨年の12月17日、小泉氏は東京赤坂の日本料理店「佐藤」にいたという。ここは自民党のお歴々が愛用するところで、安倍晋三総理や森喜朗元総理らも参集していた。小泉氏も所属していた清和会(町村派)出身の叙勲受賞者を祝う会だった。そこにいた清和会幹部がこう明かす。

<「小泉さんはいつもの調子で下ネタを繰り出した。『俺の男は炉心溶融している』『信なくば立たずと言うが、漢字が違う。芯なくば勃たずだ。だから、脱原発なんだよ』と。要は自分の男性機能はもはや喪失しているというわけですが、それを原発に擬えるなんて、小泉さんにとって脱原発はその程度のことなんじゃないですか」>

   いわれている細川圧勝に対しても異を唱える。舛添要一元厚労相を支える政府自民党は強気だというのだ。官邸関係者がこう打ち明ける。<「1月の第2週、ある報道機関が都民数百人を対象に世論調査を行い、それが菅(義偉)官房長官の手に渡っているからです。彼は官邸のスタッフに向かって、『細川恐るるに足らず』だとほくそ笑んでいました」>

   この世論調査にはこんな数字が記されていたという。舛添38パーセント、細川16パーセント。さらに、先の浅川氏は「東京には約70万の創価学会票があると言われていて、自民党とともに舛添氏に回る学会分の票差は埋め難い。舛添280万票対細川210万票が妥当。(中略)昨年の参院選における両党の都内得票率等を加味すると、340万票対150万票の大差で舛添氏が勝つ可能性もある」

舛添がケチる元愛人との子ども養育費―数億円の資産ありながら減額求め裁判中

   自民・公明が推す舛添氏との一騎打ちの様相だが、週刊ポストは舛添氏にはものすごい女性とカネの問題があると報じている。なにしろ舛添氏、結婚3回離婚2回、子供2人に愛人に産ませた子が3人。現在「隠し子、養育費裁判」で係争中であるというのだから、おやおやである。

   この裁判、元愛人A子さんとの間にできた子供の「養育費(扶助料)の減額」を求めて舛添氏が争っているのだ。婚外子にあたるA子さんの子供に対する月22万円の養育費の減額を求め、舛添氏は12年4月に家裁に調停を申し立てたのである。理由は子供が自立しており、自分の年収も激減しているというものだが、2つとも納得しがたいとA子さん側が反発している。

   A子さんの子供は現在25歳だが、幼少時より重度の障害を抱え、今も週に5日、病院に通う日々を送っており、自立などとても不可能な状態であること。舛添氏が国会議員ではなくなり、歳費の1800万円が「現在の収入は月10万円しかない」と主張していることにも疑義ありというのだ。

   週刊ポストによれば、あれだけのメディア露出があるのに月10万円というのはおかしい。しかも、舛添氏は相当な資産家で、東京・世田谷には3億円で取得した自宅があり、他にもファミリー企業「舛添政治経済研究所」名義で、神奈川・湯河原町と福岡・北九州市に別荘などを所有している。湯河原の別荘は敷地面積950平方メートル、総床面積270平方メートル超の檜を使った贅沢な2階建て豪邸だという。

   私は舛添氏を東大の助教授時代から知っている。当時は才能も髪もフサフサとある魅力的な人物であった。東大を飛び出し、政治学者から政治家になってから少しずつ変わってきたが、凡百の政治屋に比べれば、女性問題を除けば首都・東京を託すに足る人物の1人だとは思う。だが、残念ながら自民党的体質が染みつき、脱原発や憲法改悪反対へ舵を切れない。舛添氏が自民・公明の推薦を蹴飛ばし、脱原発、憲法擁護を旗印に戦ったら、この戦はどちらが勝つかわからないが、そうはできまい。

   その上、自民党内から安倍政権を批判し、除名された舛添氏に対する批判が捲き起こってきたのである。小泉進次郎・復興政務官(32)は15日、視察先のさいたま市で記者団に「私は舛添氏を応援しない。応援する大義はないと思う」と語り、自民党の方針に公然と反旗を翻したと16日の『asahi.com』が報じている。さらに、「東京は最大の電力消費地。原発についてどういう考え方を持っている方がトップとして都政を担うのかは、非常に関心があると思う」とも語っている。これに続いて自民党の中の脱原発派が動き出す可能性が出てきたようだ。どちらにしても、今回の都知事選はこれまでの国政選挙を凌ぐ注目選挙になることは間違いない。

安倍首相の背筋が凍りついた「アメリカの安倍NO」と「天皇陛下の戦後民主化評価」

   順風満帆に見えた安倍総理にとって、思わぬ逆風が吹いてきたようだが、ことは国内だけのことではないようだ。週刊ポストは「安倍晋三はアメリカに潰される!」と報じている。知日派の米国シンクタンクの安全保障専門家が、安倍首相はアメリカを甘く見ていると本質を見誤ると、こう指摘している。

<「安倍首相は、憲法改正や集団的自衛権は日米同盟を強化するもので、米国は歓迎するはずだと考えている。
   しかし、米国の反応はそう単純ではない。オバマ政権は、安倍首相の目的は、第二次大戦後の世界秩序を定めたサンフランシスコ条約そのものを否定して、日本が独自の軍備増強に走るためではないかという疑いを強く抱いている。いまは中国に対抗するという口実だが、いずれ、反米ナショナリズムに向かうという危惧だ。
   だから、小泉首相の靖国参拝には何もいわなかったのに、安倍首相の参拝には敏感に反応した。安倍が憲法解釈の変更などと同時に河野談話の見直しにまで踏み込むようなら、オバマ政権内の安倍警戒論が強まり、本気で"安倍NO"を突き付ける可能性がある」>

   さらに週刊ポストは、安倍首相の命取りになるのはアメリカだけではなく、天皇陛下だとも書いている。80歳になった天皇が昨年12月23日の誕生日会見で、歴史認識についてこう踏み込んだ発言をしたことが、安倍首相の躓きになると見ているのだ。

<「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。
   戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。
   また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」>

   安倍総理の「戦後レジームからの脱却」に真っ向から異を唱える発言である。景気が少しよくなってきただけで浮かれていた安倍首相にとって、背筋が寒くなる内憂外患であろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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