見せるねえ田村正和…哀愁漂わせて圧倒的存在感!納得できた「三億円事件の真相」
<テレビ朝日開局55周年記念 松本清張二夜連続ドラマスペシャル第一夜『三億円事件』>(テレビ朝日系)

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   「三億円事件」に関するドラマやドキュメントなどが数多く作られてきた中で、今回のSPドラマが最も納得できる内容だった。主演の田村正和が、「事実もこの通りだったのかもしれない」と言ったくらいの脚本(竹山洋)である。見かけは淡々とした話なのだが。
   1968年、府中で起きた3億円事件が刑事では公訴時効になった後、被害額の3分の2を支払ったアメリカの保険会社が、日本人の武田秀哉査定部長(田村正和)を日本に派遣し、真相を究明すべく再調査をさせる。戦後の日本に愛想を尽かして海を渡り、帰らなかった武田が、25年ぶりに祖国をたずね、年老いた母親とも再会する。
   真相を調べて歩く哀愁の影をおびた田村正和の姿が圧倒的で、事件後自宅で青酸カリ自殺した立川のカミナリ族の少年の、姉(板谷由夏)夫婦が、ぐれた弟の存在に悩み、警察の元高官だった身内(津川雅彦)らの圧力もあって、自殺と見せかけて殺したのではないかとの結論に至る。犯人の仲間の男とは50万ドルを請求する対象からはずすとの司法取引をし、記者会見に臨むが、大手マスコミは取材にも来ず、フリーの記者たちも結局は1行も書かなかったのである。
   この当時のアメリカと日本の立ち位置、警察内部の隠蔽体質、戦後を引きずった時代の空気など、清張らしい視点がベースにあるが、何といっても田村正和である。引き連れた調査員(段田安則、余貴美子)らとの段違いの存在感にはただただ感心するばかりであった。(放送2014年1月18日21時~)

(黄蘭)

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