元殺人犯の更生「信じたい」「信じきれない」飄々とした橋本功ナマグサ和尚に味…近ごろテレ東やるねえ
<逆光 保護司笹本邦明の奔走>(テレビ東京系)

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   水上勉の原作らしく、人間の深奥に潜む猜疑心とそれを打ち消す善意との葛藤、社会の底辺から抜け出せない人間のもがきが、そこはかとなく伝わってくる、とても、ただの2時間ドラマと軽蔑の目では見られない佳品だった。近頃のテレビ東京はなかなかである。
   臭い飯を食らったホリエモン堀江貴文が、ムショ暮らしの経験からあちこちで発言していて、前科者の再犯率の多さを何とかしなければと言っている。このドラマの骨子も正にその再犯のことで、世間が前科者を疑うことにより、如何に更生が難しいかを描いている。
   殺人で投獄された名本(萩原聖人)は服役態度がよかったので17年で仮釈放になり、寺の和尚をしている保護司の笹本(橋爪功)と身元引受人の工務店社長が一緒に出所を出迎える。ところが運悪く昔なじみの女と泊まったホテルで、名本が帰った後に女が殺される。当然警察は名本を疑う。だが、元々真面目な名本を和尚は信じたい。
   さらに過酷な疑いをかけられる事件も起こり、名本を信じたい和尚の心が折れそうになる寸前で真犯人が捕まる。出色なのは、かつて教え子との恋で学校を追われた笹本和尚の過去が語られ、一種のナマグサ和尚が、息をつめて真面目に木工の仕事に打ち込む名本を、「信じたい」「でも信じきれない」と逡巡しながら、ひたすら自分で調べようとする心の動きを表現する橋本功の飄々とした佇まいだ。長いムショ暮らしでおどおどとした萩原の暗さもまた見事。(放送2014年1月29日21時~)

(黄蘭)

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