2024年 4月 19日 (金)

インフルエンザ急速変異「治療薬が効かない」「ワクチン効用も低下」対策追いつけない?

毎年ワクチン接種してても集団感染

   気になるのはワクチンが効かなかった事例だ。ワクチンには3つのウイルス型に対応するよう作られるが、群馬県太田市の特別養護老人ホームで昨シーズン、A香港型に対する効きが悪かったことが確認された。入所者は70人で、毎年全員がワクチンの接種を欠かさないのだが、昨年1月の2週間の間に46人が集団感染し、90代の男性が肺炎で死んだ。A香港型だった。担当医師は「ずっと集団感染はなかったのに、去年だけ。ワクチンの効果に疑問をもった」という。

   群馬県環境衛生研究所が調べたところ、ワクチンのA香港型に対する効き目を示す数値が、期待された値を大きく下回っていたことがわかった。国立感染症研究所は去年11月、ワクチンの効果が低下していたことを認める報告書を出し、その原因が製造方法にあったと明らかにした。

   ワクチンはウイルスを卵で培養して作る。ところが、ここ数年、期待通りのワクチンができにくくくなっていた。ウイルスが卵の中で死んでしまい、突然変異のものだけが生き残って、抗原性(ワクチンの効果)が変わってしまうのだという。今年のワクチンは効果をあげたらしいが、感染症研究所は卵から細 胞培養に切り替える必要もあるという。

   これについて押谷教授は「ワクチンへの信頼性がすべて崩れているわけではありません。ワクチンの効用は依然高い。インフルエンザ・ウイルスは変異と対応の繰り返しですが、研究はここ数年大きく進んでいます」と話す。

   ウイルスは子どもと年寄りにきつい。高齢化の中でのいたちごっこに妙手なんかあるのか。結局、話はうがい・手洗いに戻るのか。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2014年2月6日放送「インフルエンザ 2つの『異変』」)
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