2024年 4月 24日 (水)

高梨沙羅4位―小倉智昭「ボクらがプレッシャーをかけ過ぎたのかな」その通り!

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   ソチからの深夜の中継が続く。寝不足の人も多いだろうが、日本代表にようやくメダルが出た。スノーボード男子ハーフパイプで、平野歩夢(15)が銀、平岡卓(18)が銅。しかし、金メダル間違いなしとされていた女子ジャンプの高梨沙羅(17)は4位に終わった。オリンピックはやっぱり魔物か。

スノボー男子ハーフは平野歩夢と平岡卓で「銀」「銅」

   平野の銀は予想されていたが、それは五輪2連覇、絶対王者といわれるショーン・ホワイト(アメリカ)がいたからだが、ホワイトは失敗して4位、1発勝負のユーリ・ポドラドチコフ(スイス)が優勝した。

   ハーフパイプは2度のトライアルのうち高い方の得点が採用される。1回目、ホワイトはリップにぶつかって転倒してしまい得点は35.00とかなり低い。ポドラドチコフも86.50といまひとつ。平岡も失敗して45.50だった。1回目を終わって安定していた平野は90.75でトップだった。

   2回目に波乱があった。ポドラドチコフが94.75でトップに立ったあと、平岡がほぼ完璧な滑りで92.25を出し2位につける。それを平野が93.50を出して抜き、この時点で日本の若者が2位、3位だ。しかし、最後にホワイトが高得点を出せば平岡の銅は消える。はたしてホワイトに逆転されてしまうのか。ホワイトは1回目の失敗が響いたのか、2回目も得点は伸びず90.25と平岡の後塵だった。

   競技後、平野は「楽しめてよかった」と淡々と語り、平岡は「メダルがとれてめっちゃ嬉しい。歩夢だけ注目されるのも悔しいから、オレも頑張ろうと思ってました」と、いかにも10代の若者らしい。

   2人とも緊張感などまるでなったようで、平野は「下とか観客見てない。音楽聞いて自分のモードに入っているから」と話す。音楽を聴きながら滑っているとは驚いた。歯を食いしばってトレーニングを繰り返すスピード競技とのなんたる違い。

   司会の小倉智昭が「(音楽は)スローバラードじゃないで しょうがね」

   スノーボードは欧米で人気が高い。平野も平岡も海外の試合を転戦して、トップを争うライバルだ。その表彰式の写真があった。平野が賞金1万ドル、 平岡が2位で6000ドルというボードを掲げていた。ホワイトは年間8億円もの稼ぎがあるという。金が集まるのは人気の証とはいえ、「これがオリンピックの種目か?」とも思う。

「やることは一緒なのに、オリンピックはどこか違いました」

   本来ならトップニュースのはずが、後回しになったのは女子ジャンプも同時に行なわれていたからだ。高梨沙羅はワールドカップで今季10勝していて、金メダル間違いなしとだれもが疑わなかったが結果は違った。

   1本目で100メートルで3位といまひとつ調子が上がらない。そして2本目、98.5メートルと伸びない。最後のカリナ・フォークト選手(ドイツ)を残して、高梨は3位につけていた。フォークトが飛んだ。最高得点! ワールドカップで勝ったことがない選手がオリンピックでは優勝した。

   高梨はインタビューで「やることは一緒なので、変わらず挑んでいたつもりだったんですけど、やはり(オリンピックは)どこか違うところがあるなと感じました」という。必死に耐えていたのだろう。終わって仲間と抱き合ったとき、涙があふれた。深夜にも関わらず、大応援団がテレビを見守った出身地の北海道・上川町も沈んだ。

   ソチに入って以来、高梨の表情はずっと硬かった。試合前も「(練習でも)納得のいくジャンプは1本も飛んでいない」話していた。山田いずみコーチは「フィーリングが合っていなかった」という。

   小倉は「五輪よりワールドカップの方が上」と慰めをいったが、それはウソだ。オリンピックを上回る大会はサッカーとテニスしかない。「ボクらがプレッシャーをかけ過ぎたのか」。それに違いはないが、結局は本人だ。だれも助けられない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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