<夜のせんせい>(TBS系)
全身ヒョウ柄先生と定時制トンデモ生徒たち―性転換する大杉漣、87歳じいちゃん、施設育ちヤクザ…しみじみ悲しいそれぞれに事情

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   まず、主役の教師・夜野桜(観月ありさ)のものすごいファッションに目をむいた。場末のスナックママから定時制高校の新米教師になったという設定で、もう、とんでもないのだ。基本はとにかくヒョウ柄。

   どこに行けば、こんな服売ってるんだろ。音に聞く大阪のおばちゃん御用達の店にでも行ったらあるのかしら。でも、タイガースはトラだしなあ(いや、別に着たいわけじゃないが)。と思って番組ホームページの「夜野桜のファッションチェック」を見ると、大阪じゃなくていろいろなお店で調達しているらしい。スタイリストさん、楽しそう。

心に響く「世の中には、普通の奴が普通にできることをどうしてもできない奴がいる」

   一見コメディータッチだが、内容はけっこうシリアスだ。クラスにはさまざまな年齢の生徒が、それぞれの事情を抱えて集まっている。生徒役のキャストはなかなか豪華だ。男優では山本耕史、田中圭、そして個性派若手の高橋一生、大倉孝二に加え、大杉漣、笹野高史がしっかり押さえている。また、最年長87歳の生徒として織本順吉も出ている。女優陣は蓮佛美沙子、大政絢(これは先生)、それに達者な堀内敬子。若手では山本舞香、新川優愛、滝裕可里など。

   一人ずつスポットが当たって、抱えている問題が明らかになっていくわけだが、当然のことながら、「めでたしめでたし」で終わるわけではない。たとえば、仙波(大杉漣)は性同一障害で、息子が一人ありながら女になってしまう。同級生たちは「子供からしたら、女を作っちゃった親父と、女になっちゃった親父と、どっちが嫌かなあ」と考え込む。

   こういうセリフが時々出てきて、なかなか心に響くのだ。アル中の父親を持つ玲(山本舞香)が、施設育ちで今はヤクザとなっている大澤(山本耕史)に「あんたの親、なんであんたのことを捨てたのかなあ」と言うと、大澤が言う。「さあなあ。世の中には、普通の奴が普通にできることをどうしてもできない奴がいる。多分、そんな人間だったんだろう、俺の親は」

   妙に納得してしまう。そして、しみじみ悲しい。さすが、あの「ハゲタカ」を書いた林宏司の脚本である。

   人間離れしたプロポーションの観月ありさは表情もどこかアンドロイドっぽくて、普通に考えれば女優としての表現力があるとは言えないが、その「深みのなさ」が個性となっていて私は好きだ。(金曜日よる10時~)

(カモノ・ハシ)

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