杉下右京は見抜いていた!宿怨相手殺めた男の自殺行と慕い続ける人妻…シリーズ屈指の傑作見事
<相棒 season12 第18回>(テレビ朝日系)

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   さすが古沢良太の脚本。今回の物語は、これまでの長い長ーいシリーズの中でも十指の内に入る傑作である。
   とある地方の無人駅に男が1人、そこへオシャレなコートに黒ソフト帽の杉下右京(水谷豊)が入ってくる。電車は当分来ない。ある鄙びたクラシックなティールームに女が1人。別のテーブルにいる甲斐亨(成宮寛貴)が近づくと「こんなオバサンにナンパ?」と女が答える。一見なんの関連もない2つの場面に、見ている方は「いよいよネタ切れで休暇話か」と思っていたら、とんでもない。
   殺人を犯し、渓谷で自殺しようとやってきた実直な靴職人と、初恋以来、彼を思い続けた人妻との魂を揺さぶる愛の物語である。公園でほとんどホームレス状態の老人の遺体が発見され、その事件を右京に意地悪な刑事・伊丹(川原和久)や芹沢が捜査する。老人は昔、雇い主を裏切った中小企業の従業員だった。犯人はだれか?
   靴職人に大学教授かと問われた右京が、無人駅の暇つぶしのために常備されているオセロゲームで遊びながら、さりげない世間話で靴屋が電車(渓谷方面に行く)に乗るのを止めようとする。下手な役者たちだったら間が持たない。靴職人(太川陽介)が右京の職業を疑い出す場面の鋭い目つきが怖い。画面全体に品がある。殺伐とした現代の殺人事件を描きながら、刑事や不倫の男女共に根底にある人間の誠実さや切なさがきちんと書き込まれていて見事だった。(放送2014年3月12日21時~)

(黄蘭)

採点:2
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