「キムタク武蔵」地で演じてむしろ成功!描かれなかった「小次郎のトドメ刺さぬ心情」…余韻ないラスト惜しい
<ドラマスペシャル 宮本武蔵 第1夜・第2夜>(テレビ朝日系)

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   裏番組が悪かった!木村拓哉本人を朝から情報系生放送に出しまくって宣伝したのに、初日の裏では「戦力外捜査官」や小栗旬の映画、2日目には向井理の「S―最後の警官」がそれぞれ視聴率を取ったので、結局、武蔵は初日が14.2%、2日目が12.6%と、キムタクドラマとしては物足りない数字しか取れなかった。局はがっかり。
   しかし、出来は決して悪くなかった。キムタクは何に出てもキムタクと言われ、さも悪いことのようにからかわれるが、今回はキムタクの地が出た宮本武蔵でも、烈々たる剣豪の野望を抱く武蔵の青春がちゃんと伝わってきた。ロケでしっかり撮ったスケールの大きさ、殺陣の激しさ、野生児だった頃のたけぞうの暴れ方、ヘラヘラしたこすっからい凡人・本位田又八(ユースケ・サンタマリア)との対比、佐々木小次郎(沢村一樹)の爽やかさ、等評価に値する。
   残念だったのは第2夜の最後、巌流島の決闘が余りにもプッツンし過ぎて余韻がなかった。筆者は吉川英治著「宮本武蔵」の初版本を持っているのだが、「圓明の巻」の最後で、小次郎を倒した武蔵が彼の身体にトドメを刺さずに立ち去ったことを非難される。それは武蔵に小次郎に対する尊敬の念があり、「惜しむべき命」の意識があったから刺さなかったのだ。「雑魚は歌ひ雑魚は躍る。けれど、誰が知らう、百尺下の水の心を。水のふかさを。」との名文で締めくくられる。せめて一言トドメを刺さずといってもらいたかった。(放送2014年3月15日21時~、3月16日21時~)

(黄蘭)

採点:1.5
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