オザケン16年ぶりの出演!ハッと気づかされたあの頃テレビも尖がってた

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   なんだか怖い。いつも収まりどころを探していて気持ちが悪い。いまテレビ番組を作っている人はこんなことを気にしすぎなのかもしれない。青春のシンボルだった小沢健二が生放送に出た。実に16年ぶりのテレビ出演だという。リアルタイムで「笑っていいとも!」を見ることができるのも、こんな根なし草の仕事をしている特権か。

   思わずリモコンのボリュームを上げていた。だって、まだまだ東京なんて知らない頃から、いわゆる渋谷系の音楽に憧れてモンモンとした日々を送っていた。数年前、オペラシティのオザケンコンサートに行っていた友人は、やっぱりオザケンはオザケンだったと感慨深く語っていたことを思い出した。そんな情報すら知らなかった自分を恥じたっけ。要は、私ってただのミーハーじゃん。

   でも、35歳前後の人なら分かると思う。あの頃、眉毛が細いアムロちゃん、B′zにクラス中が熱中した中、オザケン派か小山田クン派かに別れ、少人数ながら議論していたことを。かれこれもう20年近く経とうとしているのに、鮮やかに記憶を引っ張り出してくれたのも、やっぱりテレビだった。

「これがオレらのスタイルなんだ」ビンビン伝わる作り手の思い

   テレビで久しぶりに見るオザケンはやっぱりステキだった。いいともでタモリさんと語り合うオザケンは、生演奏を奏でるあの前かがみな姿勢と聞き入るタモリさんと、すべてが夢かと思うようなお昼のひとときだった。

   そんな感慨にひたった数時間後、放送の様子が動画サイトにアップされていた。昔ならビデオ録画した友人に鑑賞会を開いてもらうか、回し見をするしかなかったのに、いつの間にか手のひらでも見ることができる世の中になっている。そこからネットサーフィンは続く。

   オザケンのPVや彼がかつて出演していた番組を見ているうちに、オザケンとは全く関係ない番組の過去素材も出てくる。そして、当たり前のように度肝を抜かれる。あれっ、昔のテレビってこんなにチャレンジしていたことがあったんだ。制作者が「これ、かっこよくない?」「これ、面白くない?」ということを番組でちゃんと伝えている。これがオレらのスタイルなんだっていう作り手の思いをダイレクトに提示しているものって、今のテレビでは少なくないか。

テレビ離れしているのは視聴者じゃなく作り手かもしれない

   昔のテレビ番組を見て、今ではできないことがあるよねえって言うのは簡単である。放送倫理にひっかかる、お金がない、芸能事務所が許さないってことをみんな口に出して言う。でも、本当は冒険することが怖いだけ。だって、本当に怖いんだもの。みんなお偉いさんの顔色をうかがって、そのお偉いさんはお金を出してくれる人の顔色をうかがっている。その先は世の中の顔色をうかがっている。だから、しょうがなく制作サイドはこれをやりたいんですっていうより、視聴率がとれる番組作りばかりに精を出す。

   制作者の想いが爆発的に伝わってくる過去の番組が、それこそ視聴者によってネットに上げられている。動画をアップした人はどういう気持ちで世間に流出したんだろう。テレビ離れと言われているけれど、つぶやきのランキング上位だって、結局、テレビ番組のリアルタイム反応ばかりのいま、動画で過去の秀逸な番組や海外番組に慣れ親しむ人が増えたいまだからこそ、本当は何かやっぱり冒険はしたい。

   強い気持ち、強い愛でそんなことをStand Upして言えるのは誰?勇気を出して歩きださなくちゃ。心すっかり捧げなくちゃ。本当は分かってる2度と戻らない美しい日にいると、そして静かに心は離れていく――ってオザケンは歌っているよね。

モジョっこ

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