「半沢直樹」で味しめたナTBS―今度はトヨタの「創業者ドラマ」四苦八苦ていねいに描いてさすがに手練れ!
<LEADERS 前編・後編>(TBS系)

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   いかにも貴島誠一郎Pと福澤克雄演出コンビらしい作り方のドラマだ。トヨタ自動車の75年史がベースになっているので当然だが、自動織機を作っていたにすぎなかった会社から、日本一、いや世界一の自動車製造会社になるまでの、草創期の四苦八苦が丁寧に描かれた。モデルは勿論トヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎である。

   戦前戦後の混乱期に、このままではアメリカの自動車ばかり買わされることになると国産車製造を目指した男たちの話である。エンジンの作り方さえ知らなかった愛知佐一郎(佐藤浩市・熱演)は、外車を分解して何万個もの部品を揃えるところから始め、周囲の疑念や、GHQの命令や、銀行団の意地悪などのあらゆる逆風にもめげずに頑張る。後編の方が面白かったし視聴率も後がよかった。

   経済低迷の敗戦日本では、資金繰りが悪くても、組合闘争は激しさを極め、融資の見返りとして1600人の首切りを迫られる。家族同様の社員の首は切らないという佐一郎の理想は続かず、自分も社長を辞めると決意を述べると、希望退職者が1700人を越えてしまう。佐一郎の人望の高さを語るエピソードである。史実は知らぬが、国鉄はじめアカ旋風吹き荒れた戦後の日本の、荒涼たる労働争議の一端は窺がえた。

   妻(山口智子)や料亭の女(宮沢りえ)など女性陣より、日銀総裁(中村橋之助)や支店長(香川照之)らの男性陣の方が印象が強い。ハハン、「半沢直樹」で味をしめたんだナ、TBS。(放送2014年3月22日、23日21時~)

(黄蘭)

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