バート・バカラック恐れ入った粋で元気な85歳!巷じゃ忘れられてるのか?さみしい…

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   完璧すぎる。トボトボじゃなくて、かくしゃくとしている。そして、ピアノを弾きながら、絶えずストリングスに、ホーンセクションに、コーラスに指示を出す。時たまジョークを交えて、しゃがれ声でおしゃべり。さらに、これは初めて演奏するんだけれどと前置きして、新曲を披露する。

   才能は枯れていないらしい。知らない曲が演奏された。黒のパンツにダウンボタンのシャツに黒ジャケットに、トレードマークのスニーカーを合わせる。これぞアメリカンカジュアルのお手本です。ラルフローレン万歳!といったいで立ちである。遠くから見ていても大人の色気を感じる完璧さ。アメリカが生んだ偉大なる作曲家、生きるミュージック・レジェンド、バート・バカラック85歳だ。

そうか、あれも彼の曲か!あっという間だった2時間のコンサート

   NHKホールで開催されたバート・バカラックのコンサートは、東京ニューシティー管弦楽団とバカラックのバンドとのオーケストラ公演だった。キャリアは実に60年余り。その間に生み出された名曲の数々、アレンジもオールドスタイルに美しい曲が次々にメドレーで演奏されていく。

   あれもこれもバカラックの曲だったんよねと再確認するのもおかしいけれど、自分がいる同じ空間で音楽の歴史を作ってきた人が演奏している。それにしても、あの年齢はいったい何だろう。もう超人の勢いじゃないだろうか。

   元気にステージに立てるかどうかなんて心配無用だ。1度だけステージのそでに行ったが、2時間近くずっと演奏している。ときに「これは難しい曲だから、若手にやってもらおう」なんて言って、自分はピアノから離れて指揮に専念する。1曲立ち続けての指揮もなんなくこなす。そして、相変わらず自分も歌う。歌い上げるタイプではなかったけれど、現在はまさに語るように歌うスタイルへと変化している。まるで詩人のような感じである。「アルフィー」の歌の合間に咳を2回していたのはご愛嬌か。こんなふうに名曲メドレーでおよそ2時間、あっという間にコンサートは終った。

余韻に浸ろうと飲みに行ったお店でガックシ

   さぁ、この感動が冷めないうちに美味しく喉を潤したい。終演後、久しぶりに飲みに行ったお店で、バカラックコンサートの帰りだと告げると、客もオーナーもシェフもみんな「?」「だれ、その人」という反応にショックを受けた。「ほれほれ、これじゃ~い!」とカーペンターズの「CLOSE TO YOU」にアレサ・フランクリンの「I SAY A LITTLE PRAYER」を動画で見せると、「はは~ん、知ってる」。分かってもらって一安心した。「で、この2曲がどうしたの」なんていうじゃないか。どうも、ラチがあかない。この2曲だけでなく、信じられない数の皆さんもご存知のあの曲、この曲も彼が手がけたんですよと熱弁するハメになっちゃった。

   そうか、こんなものなのか世間って。あの偉大なる大作曲家も85歳となれば、コンサートに来る客も7割は中高年である。残り3割は音楽好きな若者世代か。悲しいかな、NHKホールでドカっポカっと空席ブロックが目立つ。当日券も発売されていた。それこそ最後の来日かもしれないと野次馬根性で来る人も、さすがに去年のポール・マッカートニーほどはいなかった。東京、京都、大阪とまだ3公演ある。精力的すぎる名作曲家の姿を目に焼き付けておいて損はないと思う。

モジョっこ

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