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日本人の10人に1人―骨粗しょう症2大要因わかった!「小柄でやせ型」「母親からの遺伝」

   推定患者数1300万人、日本人の10人に1人が骨粗しょう症だという。50歳以上の女性に限れば3人に1人が背骨を骨折しているという。「お年寄りの病気ではなく若くて、骨は丈夫という骨密度の高い人でも注意が必要です。では、どんな人が骨粗しょう症になりやすいのでしょう」(中谷文彦アナ)

   桐朋学園大学女子中学と高校の生徒632人を対象にした調査で、骨粗しょう症の2大要因がわかってきた。調査では骨密度だけでなく、体型や体の特徴、父母や祖父母の病気や健康状態、生活習慣まで調べ、骨密度が低いグループを割り出した。体型では小柄で痩せているタイプの骨密度が低かった。体重が少ないと骨にかかる重力が少ないため骨密度も低い。また、遺伝が大いに関係していた。母親の骨密度が低いと娘も低かったのだ。遺伝率は6割だという。

   骨粗しょう症学会の太田博明理事長は「遺伝と小柄で痩せタイプの2大要因のある人は骨粗しょう症になりやすく、若いころから注意する必要があります」と警告する。そこで骨粗しょう症になりやすい10項目のチェックリストができた。

(1)小柄で痩せ型
(2)両親や祖父母が骨粗しょう症
(3)閉経している
(4)牛乳や乳製品が嫌い
(5)運動不足
(6)アルコールの多飲
(7)喫煙
(8)日光に当たらない生活
(9)過度のダイエット
(10)ステロイド剤の長期服用(特に飲み薬)

骨密度高くてもコラーゲン劣化で背骨骨折

   アイさん(仮名・69歳)は自分で気が付かないうちに背骨を骨折していた。2年前から立ち上がる時に腰に痛みが走っていたが、さして気にも留めていなかった。最近になって物を持ち上げるのがつらくなって、近所の病院に行った。すると、「腰椎が圧迫骨折しています」と医師から告げられた。

   アイさんの骨密度は普通の人の30%ほど高いのになぜ骨が折れたのか。東京慈恵会大学・齊藤充准教授は「骨の中のコラーゲンの劣化で骨が折れやすくなっています」と説明する。

   太田理事長「原因は糖です。普段から糖分を多く摂っていたり、糖尿病の方はコラーゲンの劣化で骨が折れやすくなっています。骨粗しょう症で骨折した人の7割が骨密度が低い人、残りの3割は骨質の劣化なんです。糖尿病以外にも高血圧症や生活習慣病に十分注意する必要があります」

(磯G)