「新型出生前検査」すでに8000人受検!生むべきか中絶か…フォローない辛い現実

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   妊婦の血液を採取するだけで、胎児に異常があるかどうか調べられる新型出生前検査が導入されてから1年がたった。従来の方法に比べ流産のリスクが少なく精度も高いため、これまでに予想をはるかに上回る8000人近くの妊婦が受診した。異常が発見されると妊婦は出産か中絶化の二者択一を迫られる。

   「現在、35歳以上の女性の結婚は4人に1人となっています。そのため、高齢出産のリスクも高まり、胎児の異常が危惧されています。しかし、わが子を産みたいという母親ヘの精神的、物理的サポートは整っていません」とキャスターの国谷裕子は伝えた。

結果が予想外だった!妊婦と胎児どう守るか

   都内在住の43歳妊婦は念のためにと産婦人科医で出生前検査を受診した。検査後に医師から「胎児が心臓病や重い身体的障害に罹る確率は40%」と告げられた。彼女は「知らされたときは、産むべきか産まない方がいいのかと悩みました」と話す。彼女は羊水検査も受けることにした。判定は「胎児に病状は認められない。元気に育っている」というものだった。数か月後、彼女は無事出産。わが子を抱き、「情けない弱いお母さんであってゴメンね」と語りかけていた。

   国谷は「これまでにも胎児の異常を知る出生前検査はいろいろありましたが、新しい検査とどこが違うのでしょうか」と齋藤有紀子・北里大学准教授に聞く。「血液検査だけで結果が分かるようになり、妊婦の出生前検査に対すハードルが低くなりました。でも、結果が予想外の時、妊婦と胎児をどう守かという社会的環境が未だに整っていません」

ドイツでは全国1500か所に「妊娠葛藤相談所」

   日本より半年早く新型出生前検査を導入したドイツでは、1992年から議会で胎児の命を巡って熱い論戦が繰り広げられていた。論戦の最中に生まれたのがドイツ全土に1500か所設けられた妊娠葛藤相談所。相談所のスタッフがフルタイムで妊婦へのカウンセリングを行っている。ドイツ倫理審議会メンバーは「産むのか産まないのかを決める女性の権利と、おなかに宿った子どもの命のどちらも同じように大切です」と語った。

   齋藤准教授「異常のある子を出産しようとしたら、『あなただけではない。必ずだれかが向き合っていてくれる』という実感を感じられる心のより所となる物理的・精神的サポートが必要です」

   日本では一人で悩み孤立していく妊婦が多い。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2014年4月28日放送「新型出生前検査 導入から1年~命をめぐる決断 どう支えるか~」)

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