『介護卒業』機能回復プログラム作って「要支援」から4割が復帰―埼玉・和光市

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   今や国民の4人に1人が高齢者という大介護時代だ。2000年から始まった介護保険制度による介護給付はすでに10兆円に迫り、団塊世代が75歳を迎える2025年には20兆円に達すると見られている。膨れあがる給付を抑制しようと、国は制度改革を進めている。自己負担分を5000円から8000円に引き上げ、一部の介護サービスを市町村への移行などだ。

   しかし、これらの制度改革によって必要なサービスが受けられなくなる懸念も広がっている。各自治体ではサービスを下げずに運用を効率化する方法の模索が始まっている。

自立促す介護プランかどうか?自治体がチェック

   埼玉県和光市で卒業証書授与式があった。卒業証書を受け取るのは高木絢子さん、81歳だった。昨年4月(2013年)に転倒・骨折し、これまで介護保険の要支援を受けていた。時間を掛けたリハビリを受け、要支援が必要にならないほど回復した。授与式は要支援卒業のセレモニーであった。

   和光市の東内京一・保健福祉課副部長はこう話す。「要支援を受けている方で状態が回復すれば要支援卒業の卒業証書をお渡ししています。でも、問題はこれからで、どのように生活されていくのかが重要です」

   和光市は別の取り組みとして、月2回ほど包括支援センターのミーティングを行っている。これまで和光市では地域ごとに担当者が決められ、ある地区の相談員が別の地区の相談員の相談にのるというのは難しい状況にあった。このミーティングでは担当地域を越えて専門家も交え、介護サービスを受けた人がその後も自立を促すプランになっているかをチェックし、身体機能を回復させるプログラムを用意する。こうして、「要支援」の認定を受けた人のおよそ4割が「卒業式」を迎えるという。

元気な高齢者が体操教室のインストラクター

   高齢者総合ケアセンター「こぶし園」小山剛・総合施設長は解説する。「要支援や要介護認定を受けた高齢者は家庭の中でも役割や自分の居場所がなくなり、モチベーションが下がります。これまで介護制度は、介護業者に任せていた部分が大きかったですが、自治体が直接乗り出すことによって、高齢者の置かれてる状況を直接把握できるようになります」

   キャスターの国谷裕子「高齢者の方が元気を取り戻すためには何が必要でしょうか」

   小山氏「介護保険の要支援や要介護認定を受けている方は高齢者全体の2割で、8割の方は元気です。この8割の方を地域でどう活用していくのか。そこに自治体の役割があると思います」

   三重県伊賀市では、元気な高齢者がインストラクターとなり高齢者の体操教室を開いている。ボランティアでインストラクターを務めている宮島初枝さんは「地域ができることはまだまだたくさんあります。これからは知恵の出し合いです」と語った。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2014年5月12日放送「介護からの『卒業式』」)

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