2018年 8月 21日 (火)

石井ふく子の初サスペンス 良くできてるようで矛盾だらけ!良く知らない隣人に金庫の仕掛け教えるか? ご都合主義とありえないバカっぷり
<心に響くサスペンス『隣の女』>(TBS系)

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   ほとんど老害と言いたいくらいの超高齢テレビ人・石井ふく子が初めてサスペンスをプロデュースしたと宣伝していたドラマである。短編の名手、佐野洋の原作で演出は清弘誠、主人公は元宝塚の一路真輝である。イラストレーター兼主婦のゆき(一路真輝)は医者の夫・健三(船越英一郎)と仲良く暮らしていたが、隣に美人で1人暮らしのさち(高島礼子)が越してきてからおかしくなる。
   さちと親しくなって心を許した結果、ゆきの家はさちの一味に、まんまと家財道具から金庫の中身から車まで身ぐるみ盗まれてトンずらされジ・エンド。夫・健三の同僚との微かな浮気心に付け込まれた上での犯罪だった。
   ちょっと見はよくできた怖い物語だが、納得できないのは、まだどこの馬の骨かわからない時点で、心を許して隣人のさちを家にあげ、金庫の仕掛けまで教えてしまうゆきのバカっぷりである。ありえない。今の主婦は(特に一戸建てに住む)、犯罪が怖くて簡単に近所の人も家にあげない。夫に確かめもせず、彼の浮気を隣人の言葉だけで信じるのも馬鹿の上塗りである。
   如何にもセット丸出しの家の中の演出が、石井の好きな舞台劇そっくりで笑った。後半に出てくる窓際刑事(小林稔侍)とのやり取りは滑稽譚調で面白かったが、小説世界では成り立ち得ても、映像で日常を描くと矛盾がバレバレになる典型的なドラマだ。佐野が書いた時代と今日とでは、既に細部に激変があるということである。(放送2014年5月19日21時~)

(黄蘭)

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