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AKB襲撃の梅田悟―母親・オジが語った異様「人の話聞かない、しゃべらない」「思いのまま行動」

   岩手で行われたAKB48の握手会で、メンバーに刃物で斬りつけた十和田市の無職、梅田悟容疑者(24)は「人を殺そうと思った。だれでもよかった」と話しているという。これまでに何度も聞いたセリフだ。母親が語った「心の闇」もまた、ひとつのパターンだった。つまりはそういう時代なのか。

高校陸上部でいじめにあい別人に…

   けがをした川栄李奈(19)と入山杏奈(18)はきのう26日(2014年5月)夕方、盛岡市の病院を退院した。2人とも深く帽子をかぶって、ケガをした手をタオルでくるみ、川栄は大きなマスクをかけていた。顔にもキズを負ったのか。報道陣に「すみません、ご心配をおかけしました。東京に帰ります。ありがとうございました」と語った。謝る必要なんかあるまいに。いかに「会 いに行けるアイドル」とはいえ、何とも痛々しい。

   握手会に参加できる「握手券」はCDについている。ファンはお金を払ってアイドルに接することができる。AKBが定着させた巧みな戦略だが、手を消毒することと危険物の検査はやっていた。キングレコードはこの日、「100人の警備体制をとっていた」という。しかし、参加者の話を聞くと、「過去4回、手荷物の検査はなかった」という。緩んでいたのか。とにかく、切りつけた梅田は折りたたみ式のノコギリを持って会場に入り襲った。

   一緒に住む母親とオジが梅田の暮らしぶりを話した。「CDもない。AKBにも音楽にも縁がない」「人の話を聞かない。こうした方がいい、ダメだと言っても、自分の思ったように行動する。何を言ってもだめだった」「人に会いたがらない。閉じこもってしまうタイプ」「何を考えているかサッパリわからない。しゃべらないからね」

   そうなったのは高校に入ってからだという。足が速く陸上部に入っていたが、いじめにあって変わった。しかし、何があったのかはわからない。昨年12月まで仕事をしていたが、いまは無職で自宅にいた。

凶器がサバイバルナイフだったら命危なかった

   いじめ、引きこもり、疎外感、絶望感、凶行―。ほぼ共通しているのが無職だ。今回の事件は一種の通り魔だが、前にも見た聞いたという既視感がやりきれない。

   司会の加藤浩次「だれでもよかったというのは、AKB以外でもよかったということですね」

   ロバート・キャンベル(東京大教授)「AKBに行ったというのは、アイドルを意識はしていたということでしょうね。自分の屈折した感情もあったと思います。カリフォルニアでも20代の 男性が女子学生を銃で乱射した。屈折した感情です」

   加藤「女の子が自分を振り向いてくれないと…」

   キャスターのテリー伊藤「AKBは奇跡のグループですよ。売り上げも上げているし文化でもある。それが1人の若者のために傷ついていくのは悔しいよね。殺意のある人間が出てきた時に対応できるようにしないと」

   梅田が所持していたのが折りたたみ式のノコギリだったからこの程度のケガで済んだが、これがサバイバルナイフのような大型刃物だったら命が危なかった。西村綾子レポーターが梅田の数人前にいたファンに話を聞いていた。悲鳴を聞いて、血を流して逃れるアイドルを見ていた。しかし、彼は駆け戻って手助けしたり、手をさしのべたりはしていない。この既視感には慄然とするものがある。