<ビター・ブラッド―最悪で最強の、親子刑事>(フジテレビ系)
目が離せないチャラい渡部篤郎!捜査よりスーツや靴が気になるいい加減オヤジ刑事かっこいいぞ
オープニングの主題歌「チャララン、チャララン、チャッチャ、チャラチャラ…Do you ever shine? Do you ever shine? Do you?」の心地よい疾走感にまず引き込まれる。台湾の5人組ロックバンド、Maydayが歌っている。流れる映像もスタイリッシュだ。
刑事物だが、バディを組む主人公の刑事2人が親子というのがミソ。銀座署に配属された新米刑事・佐原夏輝(佐藤健)が班長の鍵山(高橋克実)からバディを組むよう命じられた相手・島尾明村(渡部篤郎)は、子供の頃別れた父親だった。
「最悪!」
お互いに嫌な顔をする二人。だが、否応なしに行動を共にし、ベテラン刑事の父親から身をもって学ぶうちに息子も刑事として成長してゆき、父に対するわだかまりも溶けてゆく。
ありがちな親子刑事ものとは逆の設定おもしろい
と、まあ、基本はごくありきたりのパターンなのだが、それでも目が離せないのは、渡部篤郎がかっこいいからだ。スーツや靴に凝り、いかにもチャラい。そのいい加減な態度は真面目な息子をあきれさせる。佐藤健も初々しい真っ直ぐな新米刑事ぶりを見せて好感が持てる。
普通ありがちなのは逆だ。ベテラン刑事の渋い父親が真面目で(イメージとしては渡哲也とか)、息子がイマどきの生意気な若者、といった組み合わせである。そういう組み合わせの方が、いかにもオジサンが頭の中で作ったものという感じがする。現実はオヤジ世代の方が不真面目、若者の方が真面目なのではないか、と思う。根拠は何かと言われると困るけど。
それにしても、刑事物では親子とも刑事という設定が多いのはどうしてなのか。このドラマでは、じいちゃん、つまり母親の父も元刑事である。現実にも親の跡を継ぐことが多いのだろうか。
刑事に知り合いはいなかったが、数年前、遠縁の娘の結婚式に出たら、結婚相手が刑事だったことがある。芸人だったのだが売れず、あきらめて親と同じ刑事になったのだそうだ。紋付羽織はかまで始まった披露宴が、お色直しで警官の制服姿で敬礼して現れたのにはびっくりした。芸人の経歴が犯人逮捕に生きていればいいけど。(火曜日よる9時~)
カモノ・ハシ