<8月の家族たち> 
メリル・ストリープ怪演!薬中毒で強情で…ジュリア・ロバーツら娘たち面罵し恥部暴露し凄まじい乱闘

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(C)2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.
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   謎の自殺を遂げた父親の葬儀のため、三姉妹がオクラホマの実家に集まった。生真面目すぎる長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)、地元に残り独身を貫く次女アイビー(ジュリアン・ニコルソン)、いい年をしていまだ自由奔放な恋に溺れる三女のカレン(ジュリエット・ルイス)で、それぞれ人には言えない悩みを抱えていた。さらに、彼女らとやってきた家族やフィアンセもまた、問題ありの人ばかり。そしてなにより一番大きなトラブルを抱えているのは、母バイオレット(メリル・ストリープ)だ。癌の痛みを紛らわせるため薬中毒となり、気が強い毒舌家でもあった。病気のストレスから娘たちをいびり始めたことで、どうにか保たれていた家族の均衡は崩壊し、各々が抱える重大な秘密が明らかになっていく。

うわべだけの和やか家族たちまち崩壊

   メリル・ストリープにジュリア・ロバーツ、ジュリエット・ルイス、ユアン・マクレガー、ベネディクト・カンバーバッチと、とにかく豪華な顔ぶれである。もちろん圧巻はメリル・ストリープだ。薬の副作用で軽い痴呆のようなとぼけた振る舞いを見せたかと思うと、突然ものすごい剣幕で娘たちの過去や結婚生活、外見など、ありとあらゆることを暴露&罵倒し始め、うわべだけでも和やかムードを取り繕っていた親族たちの空気を一変させる。

   とくにターゲットをロックオンする時に見せるメデューサのような鋭い目つき、思わず見ているこちらも恐怖で石になってしまうかと思わせるような迫力である。「マンマ・ミーア」のような陽気な母親も、今回のようなイタすぎる毒母も「私にかかればお手の物」といわんばかりの怪演ぶりを見せてくれる。

痛々しいまでにぶつかり合い傷つけ合う愛

   メリル・ストリープと初共演というジュリア・ロバーツも負けず劣らずの大健闘だ。トレードマークの大口スマイルを封印し、こんなにもオーラのない、自分の正義ばかりふりかざすつまらない中年女性になりきれるのかと、彼女の新境地を見せてくれた。普段は我慢強い生真面目さんが、プツンと切れた時のぶっ飛びぶり、母娘の乱闘シーンは一番の見どころであろう。

   バイオレットの娘たちへの宣戦布告が引き金となり、もつれにもつれた親族間の人間関係。ラストも決して後味の良いものではないが、救いの光がまったくないわけではない。痛々しいまでにぶつかり合い、傷つけ合ってしまうのは、本当は愛しているからこそ。それこそがリアルな家族であり、人生なのだということをこの映画は生々しく教えてくれている。

バード

おススメ度:☆☆☆☆

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