2024年 4月 24日 (水)

<弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~>(日本テレビ系)
二宮和也「やる気ない熱血教師」なんとも言えない可笑しさ…絶妙!ライバル海老蔵との『格差』

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   「やる気のない熱血教師」というと矛盾しているが、二宮和也扮する田茂青志先生は、どうもそうとしか言いようがない。開成高校野球部を扱った原作(『弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー』高橋秀実著)を読むと、実際には特にテンションの低い監督というわけではなさそうなので、二宮くんの個性なのだろう。いや、悪いと言っているのではない。むしろ逆、ズレた秀才少年の集まりである小田原城徳高校野球部の面々と組み合わさって、なんとも言えない可笑しさをかもし出している。

   可笑しいと言えば、青志の元ライバルとしてたまに登場する大リーガー選手・谷内田健太郎(市川海老蔵)である。演技じゃないみたいにさりげない日常感が絶妙な二宮くんと、画面に出てきただけで圧倒的な存在感でぐいぐい来る市川海老蔵。演技の質だけではなく、いかにもへっぽこな(ごめんネ)二宮くんと、鍛えこんだ筋肉の鎧まで見えるような海老蔵くんのガタイの差もあって、ライバルとしてあまりの似合わなさに笑ってしまう。

打球怖がるへっぽこ球児!「守備は捨てる」の奇策で甲子園へ行こう

   さて、東大進学がスタンダードである超進学校、小田原城徳高校の野球部のレベルは当然ながら低い(それでも本気で大リーガーをめざしている選手もいるのだが--開成高校での事実に基づく)。ふつう守備の選手は「来い、来い、来い」などと言いながら「さあ、来い」と身構える。しかし、この野球部は打球が自分のところに来ると怖いので「来るな!」「あっちへ行け!」と叫ぶ始末。だが監督によれば、それでも思い切り声を出せればよし。「来たら嫌だな」と不安に迷っているのが一番いけないらしい。

   こんなひどい守備力のチームに、考えた監督の作戦は、なんと「守備は捨てる」というもの。思い切るのにもほどがあるが、とにかく打つ練習だけやる。何しろ練習は週1回しかできないのだ。10点取られても気にしないで攻撃で1点入れる、そしてこんな下手なチームに点を取られたと相手が動揺したところで、ドサクサにまぎれて一気に大量得点してコールドに持ち込むという、ほとんどギャンブルみたいな作戦だ。

   なお、高校野球の地方大会では、5回で10点、7回で7点の差が開いているとコールドゲームとして試合終了となるのだそうだ。

モデル「開成高校野球部」は東京予選ベスト16

   高校野球の目標はとにもかくにも「めざせ、甲子園」である。「青年よ、大志を抱け」みたいなものだ。だが青志が考えた目標は「強豪校を撃破する」である。明快だ。甲子園は遠いが、対戦相手は目前にいる。目前の敵を撃破すれば結果として甲子園に行ける道理だ。

   試合にはほとんどの場合、サインがない。各自の判断に任される、というと聞こえはいいが、サインを出してもその通りにできないからだ。しかし、この作戦で開成高校野球部は平成17年夏の東東京予選でベスト16まで勝ち進んだのである。最後に負けた相手の国士舘高校が優勝して甲子園に行ったので、もしかしたら彼らにも行けたかもしれないといえなくもないのだ。

   今年(2014年)4月末、東大から初めて独立リーグ選手となった井坂肇投手の記事を見た。高校は都立日比谷高校だそうだ。東大野球部に入ったが活躍できず、どうしてもプロ野球選手になりたくて、社会人チームのトライアウトを受けても内定をもらえなかった。それでもあきらめず信濃グランセローズに入団した。月収は十数万円だそうである。「成績優秀だけど筋金入りの野球好き」っているんだなあ。がんばれ、井坂!(土曜日よる9時~)

文   カモノ・ハシ
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