2024年 3月 29日 (金)

外国人労働者も日本スルー!賃金安いし縛り多いしすぐクビ…立ちいかなくなる生産現場

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   シリーズ「人手不足ショック」の2回目は外国人労働者の実態編だ。昨年(2013年)に日本で働いた外国人は過去最高の72万人、対前年比5.1%増だった。安倍内閣が10日(2014年6月)に出した成長戦略の骨子でも、外国人受け入れの拡大をうたっている。少子高齢化ですすむ労働力不足に対処するためだ。しかし、カベはいくつも あった。

   NHKがこの4月に行った世論調査で、外国人労働者の増加に賛成は19.6%、反対は40.2%だった。反対の理由は、日本人の雇用が奪われる、治安の悪化などだ。外国人受け入れの社会的合意ができていないのは明らかである。

   日本は単純労働者の受け入れを認めていない。働けるのは(1)専門的な技能・知識を持つ「高度人材(2)週28時間まで働ける「留学生」(3)農業、建設などでフルタイム働けるが滞在は3年の「技術実習生」(4)分野・滞在期間の制限なしの「日系人」―この4分野だけだ。しかし、現場では……。

農漁業・建設「技術実習生」7年前は1000人…いまや400人以下

   牛タン料理チェーンの秋葉原店では、店員の7割、16人が中国人留学生だ。日本人のアルバイトが集まらない。グループの社長は「外国人がいないと商売が成り立たない」という。

   社員64人の福島の建設会社は人手不足で、退職OBまで動員しても工期が遅れがちのため、昨年から20代のインドネシア人の研修生6人を受け入れた。残業、休日出勤もありで、「日本人と同じ週6日働いている。彼らがいなかったら工期の遅れがひどいことになる」と話す。

   国は実習期間を5年まで延長し、分野も「介護」「林業」に広げるなどを検討しているが、異変が起こっていた。大阪の建設会社で中国人研修生8人が相次いで帰国してしまった。14万円の給料を引き上げてほしいという要求に会社が応じなかったからだ。給与以外に旅費、研修費、住宅費を負担している。いま、残る13人がいつ辞めるかと気をもんでいる。

   経済成長で中国で賃金が3倍に上昇し日本の水準に近くなった。南京の建設労働者は「8万円から10万円もらってるから日本へは行かない」「20万円なら考えるけどね」という。7年前に1000人いた研修生は、昨年は400人を切った。

   代わって人気なのがシンガポールだ。日本と違って会社を選べる、転職も可能、国の許可があれば50歳まで働ける。つまり、将来設計もできる。日本は会社や住居に選択の余地がない。滞在も3年だ。今後、延びても5年である。これでは敬遠されて当然だろう。

   「だれも来なくなる日がすぐそこまで来ている」と首都大学東京の丹野清人教授は話す。日本の現状は「コンビニのものはほとんど外国人がつくり、その素材の野菜を収穫しているのも実習生ですよ」という。

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