LINEもうやめたいけどやめられない!「既読スルー」で追い詰められる若者たち

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   全世界で利用者が4億人を突破、日本でも5100万人という無料通話・メッセージアプリ「LINE」が、とくに若者たちに思わぬストレスを与えている。メッセージを開くと「既読」という表示が出るが、これに返信しないことを「既読スルー」という。この「スルー」がついに犯罪の引き金になった。

すぐ返信しないと仲間はずれ・いじめの恐怖

   LINEでスルーされ、つまり無視されたと怒った18歳の少年ら3人が、当の相手(21)ではなく交際している中学1年生の少女(12)を監禁する事件が先月(2013年)、東京・東大和市であった。少年らは少女を「彼氏を拉致ってるから1人で来い」と呼び出し、15時間にわたって自宅やカラオケ店に監禁した。少女は自力で無事逃げ出し、3人は監禁などの容疑で逮捕された。

無視とギャップ

   キーワードは「既読スルー」だ。「既読」マークは送信相手がメッセージを読んだことを確認できる仕組みだが、読んだのに返信がないと微妙なことになる。街で若者に聞いてみると出るわ出るわ。「めんどくさくなるとスルーしちゃう」「返信がないと、何で?と不安になる」「嫌われてるのかなとか」「?つきの質問に応えがないと気になる」「既読しちゃったら、すぐ返さなきゃと思う」「LINEに依存している人は既読無視は相当つらい」「(相手が)不快に思う無視はしない」

   総務省によると、2013年の調査で10代の70.5%、20代の80.3%がLINEを利用しているという。利用が増えるにつれ、トラブルも増えているという。利用者は「つき合ってる人たちが既読無視されている、みたいな話はよく聞く」「LINEは気持ちが伝わりにくいから、食い違いがあってけんかになったりとか、ごたごたはあります」「遊び半分の子が多いから、LINEはめんどうくさい」という。

   昨年6月、関西大学の学生が100人に行ったアンケートでは、「LINEの既読が気になるか?」という質問に、「なる」76人、「既読があるため返信しなければならないと思うか」には80人が「思う」と答えた。

   既読機能について、兵庫県立大の竹内和雄准教授は「無視したら友だちの間で気まずくなったり、LINEは常にみんなが見てるから返さないわけにいかないということがあるんですね。そのストレスは大きいです」と話す。

愛知県刈谷では「小中学生の午後9時以降のスマホ自粛」

   愛知県刈谷市では4月(2014年)から、全国で初めて小中学生に午後9時以降の「スマホ自粛」を呼びかけた。背景には未成年の「LINE疲れ」がある。ある中学校長は、「今やめたいんだっていう子どもたちが、ひとつの見直しにしてもらえればいいなと思います」という。都内でスマホ依存の相談に乗っている墨岡孝・医師は、「夜中はダメとか、使い方のルールを家庭内で決めて、そのうえでLINEとかのトラブルに巻き込まれたときに、それを断る勇気、これが重要です」と語る。

   井上貴博アナ「若者の問題だといっていられない気がします。既読スルーする側とされた側のギャップがあるんでしょうね」

   スルーする側は単に忙しかった、たくさんで読み切れなかったと思っていても、された側はいろいろ不安になる。井上はある中3女子の例をあげた。既読スルーでいじめ・仲間はずれになり、仲直りしたところ、寝ていても、風呂に入っていても、トイレでもLINEが気になってしまうようになった。自分が知らぬ間に加害者にも被害者にもなりうる。

   若者がもっと別のことに使わなければならない時間を、既読の気配りで潰している損失。このツケは必ず将来やってくる。ちょっと見たくない気がする。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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