2024年 4月 19日 (金)

恋愛運良しの休日に痛感したある真実!35歳を過ぎるとパタッとお声がかりなし

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   ついにこの時が来たかと梅雨時の曇った夜空を見上げ、ため息をつく。週明け提出の宿題もなく、久しぶりに休みになった週末だ。こりゃ遊んでいいぞと天からのお恵みだわと喜んだが、さぁ困った。なにもすることがない。

   起きたのは昼前。これから遠出して日帰り温泉へ友達を誘って行くには遅すぎる。誰もが貴重な週末の予定は事前に立てているし、土日仕事の友達も多い。結局、ひとりで過ごすしかない。その時、猛烈にさびしさがこみあげてきた。

「あっ、私、彼氏がいなかったんだ」

   気がついてしまった。今まであまりさびしいと思ったことはなかったけれど、35歳目前のいま、彼氏ナシで過ごす週末はとてつもなく長く感じる。これはなんとかしなくてはと、自分から動くことにした。でも、その前に、午後2時になって、とりあえず今日の占いをチェックする。これで恋愛運が良ければ外出、悪ければゴロゴロと家でふて寝をするしかない。見ると2つの占いが恋愛運良しと出ている。とりあえず占いを信じて出かけることに。

プールサイドの妄想

   まずはずっと気になっている運動不足解消だ。近所のジム見学でセルフィー男を見たばかりだから、これは却下。向かったのが区民プールだった。子供たちがキャーキャー騒ぎ、若い夫婦が仲睦まじくプールサイドで談笑するのを見ながら、私はひとり水中ウォーキングに励む。恋愛運良しなんだから、きっといいことあるはず。プール脇でちょっとひと休みをしていたら――

「いつもこのプールに来られるんですか」
「きょう初めてなんです。でも水泳っていいですよね」
「ボクも好きです。いい気分転換になりますよね」
「お近くなんですか」
「えぇまぁ。○○の店とかいったことあります?」
「いいですよねえ」
「今度一緒に行きませんか」

   なんて会話から恋に発展しちゃったりして、グフフッ…。ひたすらプールを行ったりきたり歩きながら、私はこんなよからぬことを考えていた。まぎれもなく妄想好きのアホである。

   そんな時、プールに響きわたったのは越路吹雪さんの「ろくでなし」。想定外な選曲、さすが区民プールだ。「ろくっでなっしぃ~」というフレーズに合わせて、水中でブンブン手を振り回して大股歩きをしている情けなさで、身体の奥まで冷えてしまった。

無料野外コンサートの妄想パート2

   収穫がなかった区民プールは引き揚げ、向かったのはフランス政府主催の無料野外コンサート。無料だし野外でお酒でも飲みながらいい音楽を聞いて、いい気持ち~。夏が始まったわと楽しめるに違いない。なんていい夜なんだろうとボンヤリしていると――

「ボンソワ~」声をかけてきたのは背の高い外国人の彼。
「ア~、アイキャントスピークフレンチ」
「大丈夫、ボク日本語できるから」

   恋愛運良しなんだから、このぐらいのことはあるだろうとの高望みパート2である。ところが、1時間たっても2時間たってもそんな展開になりゃしない。少し前までなら「こんばんは」ぐらい声かけられたり、目があったりする男性もいたりしたのに。こちらも収穫ゼロ。ドリンクをオーダーするとき以外に声を出すこともなく、気づけば3時間がたっていた。

   結局、アプローチしてくれたのはやぶ蚊だけ。足首に4つも刺され痒さにもだえながら、見上げた夜空はどこか滲んで見えた。35歳を過ぎるとパタっと声をかけられなくなる伝説という名の真実を体験したのだ。誕生日まで2か月以上もあるのに、恐れていたこの瞬間がやってきてしまったわけだ。

   恋愛運良しの占いはいったい何だったのか。根拠のない自信を与えてくれるとともに、根拠のない不安も与えてくれた。振り回されても次へ行くしかない!私の「なんとか彼氏ゲットしてやるロール作戦」は続けるつもりだ。いくら痛いと思われても、ゲットできればいいのだからと開き直って励んでいく。

モジョっこ

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