2024年 4月 24日 (水)

北朝鮮拉致「特別調査委」の不安…形ばかりの検証で幕引きされる恐れ

人気店や企業から非公開の招待状をもらおう!レポハピ会員登録

   北朝鮮が特別調査委員会を立ち上げ、包括的に全面調査を行うという約束で拉致問題が再び動き出そうとしている。被害者5人の帰国から12年。政府が認定している拉致被害者のうち、いまだに安否不明が12人いる。親の平均年齢が86歳を超えるなど、問題解決は時間との勝負になっている。拉致被害者の家族は再調査をどのような思いで見守っているのだろう。

元外交官「説明の矛盾突いてものらりくらりで限界感じた」

   国谷裕子キャスターはこう話す。「今回の調査対象は政府が認定している拉致被害者だけでなく、いわゆる特定失踪者など拉致の可能性が否定できない行方不明者、さらに残留日本人や日本人妻なども加わりました。拉致被害者の平均年齢は65歳を超えています。被害者の家族の方々は、日朝間で全面的な調査を行うと合意したことについてきちんとした調査が本当に行われるのか。調査が行われたという形を取って幕引きが図られるのではないかという不安も抱いています」

   拉致被害者・横田めぐみさんの両親も再調査に大きな不安を抱えている。その理由は北朝鮮との交渉の難しさだ。2004年に調査団の一員として北朝鮮との交渉に当た元外務省の原田武夫氏は、めぐみさんが自殺した場所だとする松の木に案内された。「説明の矛盾を問い正しても、北朝鮮側は同じ説明を繰り返すだけ。北朝鮮側の主張を検証しようとしても、案内される場所は限定され限界を感じました」と証言する。

   特定失踪者の家族も不安を抱えながらも、今回の調査に期待する。42年前に妹が行方不明になった生島馨子さんは、「妹の孝子は家財道具もそのままに東京のアパートから突然いなくなりました。失踪する理由も見当たりません。しかし、証拠がないため、政府に拉致だと認定されませんでした」と話した。

   新潟市在住の大澤昭一さんの弟も、40年前に佐渡の農地事務所に勤めていて行方不明になった。大澤さんは行方不明直後は拉致されたとは考えていなかったが、12年前に拉致被害者が帰国したことで大きく変わった。政府も把握していなかった曽我ひとみさんが入っていたからだ。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中