「残業代ゼロ」長時間労働で過労死一直線!年収1000万円以上でスタートしてだんだん引下げ

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   国の「成長戦略」に、仕事の残業代や休日・深夜手当をなくし、「成果」で報酬が決まるという新たな労働制度が盛り込まれた。対象は年収1000万円以上で、民間企業で働く人のうち3.8%に相当するが、企業側はさらなる拡大を求めている。日本経済団体連合会・榊原定征会長は「少なくとも全労働者の10%ぐらいは適用を受けられるように、対象、職種を広げた形の労働時間制度にしてほしい」と語っている。

   労働組合など労働者側からは、過労死や過労自殺数などが最悪の状況のなかで、「残業代」など長時間労働の歯止めをなくすことへの反対が多い。労働相談を受け付けているあるNPOでは、サービス残業、過大なノルマの押しつけなどによる長時間労働の相談件数が、全体の約3分の1を占めるという。なかでも、クリエーターなどの限られた職種を対象に、現在も残業代なしが認められている「裁量労働制」などで長時間労働させられたとの訴えが多いと話す。

自己裁量のはずが仕事終わらず深夜労働、休日返上…

   あるIT企業社員の事例。仕事は官公庁向けのシステムマニュアル作成だったが、短期間に独力で完成させることを求められ、深夜、休日も働かざるをえなくなり、体調が悪化し休職を余儀なくされた。「朝4時から0時まで働きました。自分で好きなようにやって完成さえすればいいのに、なぜできないといつも言われていました」と話す。

   労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」の今野晴貴代表はこう話す。「定額で何時間でも働かされ、何百時間の残業が必要な仕事量が降ってきても、それを不当な命令だと言えない。こういう働き方が増え、過労死も増えるのではないでしょうか」

   こうした「長時間労働」ついて、スタジオゲストで労働経済学が専門だという安藤至大・日本大学准教授は、「長時間労働は全部が悪いってワケじゃない」と言う。なかには長時間労働によって短期間で技能を身につけたいとか、お金が必要な人がいるかもしれないからだそうだ。

「本人が望まないのに長時間労働を押しつけられたり、または本人が望んでいたとしても、健康被害が起こってしまうような長時間労働をいかに防いでいくかが大事だと思います」

*NHKクローズアップ現代(2014年7月1日放送「働き方はどう変わる~『残業代ゼロ』の課題~」)

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