<ペテロの葬列>(TBS系)
小泉孝太郎とうとう「杉村三郎」はまり役にしたナ!『宮部みゆき』らしい伏線ちりばめ展開楽しみ

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   宮部みゆき原作の杉村三郎シリーズ第2弾である。ちょうど1年前に放送された第1弾の「名もなき毒」も、派手ではないが、ふと立ち止まって考えさせる何かを持った良いドラマだった。今回の「悪は伝染する」というキャッチコピーは日常の底に潜む暗い怖さを感じさせて、うまい。

   主人公、杉村三郎はいわば探偵役だが、一見、鋭さもキレもない気弱そうなサラリーマンで、小泉孝太郎はハマリ役。孝太郎くんも主演作がシリーズ化されるとは大したものである。

バスジャック犯「後で慰謝料をお支払いします」の謎

   今回は杉村と同僚の編集長・園田(室井滋)、手島(ムロツヨシ)が乗った路線バスがバスジャックされるところから始まる。犯人はとてもそんなことはしそうもない温厚な老人(長塚京三)で、声を荒げることもなく、「首の後ろで手を組んでいただけますか」と丁寧な物腰だが、手には本物のピストルが握られている。

   バスの運転手が女性なのが今という時代を感じさせる。なお、この運転手・柴野(青山倫子)は隣国の船長と違って責任感が強く、犯人に「降りて下さい」と言われても、「お客様を置いてバスを降りるわけにはいきません」と抵抗する。

   バス内では杉村ら3人と他の乗客が4人、あくまでも丁重な物言いの犯人と話をするうちに、次第に「ストックホルム症候群」(監禁状態の中で人質と犯人が親密な感情を抱くようになる現象)とでも言うべき状態が生まれる。犯人に「お金がもらえるんだったら皆さんはいくら欲しいですか」と言われて、ゲームだと思いつつもいろいろ考え、「1億」とか「1千万」とか言い出す。見ているこちらも、私だったら切りのいいところで1億かなあ、いや宝くじと同じ3億にしようかなあ、と思わず欲の深いことを考えてしまった。

   奇妙なことに、犯人は「皆さんの貴重な時間と自由を奪っているのですから後で慰謝料をお支払いします」と言う。これが次回へ続く謎の1つとなる。

国仲涼子が病弱な富豪の娘に見えないんだけど…

   ただ、犯人が杉村を評して「育ちがあまり良くなさそうなのに高そうな背広を着こなしていらっしゃる」というのはちょっと違うぞ。小泉孝太郎はやっぱり育ちが良さそうに見える。むしろ、妻・菜穂子を演じている国仲涼子の方が全然富豪の娘に見えない。病弱にも見えないし。

   初回は2時間スペシャルで見ごたえがあった。さまざまな伏線が張られており、それがどうつながるのか、どう「伝染する」のか、今後の展開が楽しみだ。(月曜日よる8時~)

カモノ・ハシ

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