「北海道の小さなフランス料理店」 アラン・シャペルも認めた中道博の「上質で粗野」
2014年07月12日06時00分
北海道・札幌でフランス料理店を営む中道博(62)の店はオーブン1つと料理人5人という小さな厨房だ。しかし、フランス料理界の「生ける伝説」アラン・シャペルは「こういう厨房からこそ、真の料理が生まれる」と絶賛したという。
2012年にミシュラン三つ星を見事獲得、中道の名は世界に知られることとなった。本場フランスで学んだベーシックかつトラディショナルな調理法を地元食材に生かし、一つの作品にまで昇華させていく。「かつては地元が大嫌いだった」と語る中道は、フランスの名立たる名店で修業を積んだ後、なぜ北海道に戻ってきたのか。この地で30年間腰を据えて料理を作ってこられた理由とは何か。
春の雪解け水を吸ったユキノシタニンジンのステーキ、エイのムニエル、地元食材を極限まで使った料理は「上質にして粗野」。日本料理とは違う角度で旬にこだわった中道の料理に魅かれる人は多い。
初夏の北海道で究極の「地産地消」に挑むフランス料理人の姿に密着した。