2024年 4月 25日 (木)

石原伸晃「無神経」「無分別」「無節操」…玉砕の島で公務切り上げ呑気にシュノーケリング

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蛙の面にナンとかか…福島原発「金目発言」、国際会議ダイビング、フランス出張ワイン買い込み

<「帰国前日の十四日にも、地元ツアー会社が石原氏(伸晃環境相(57)=筆者注)のために船を出しました。その日は、石原さんが公務の途中で『やっぱり海に行ってシュノーケリングがしたい』とのことで、公務を切り上げて海へ向かいました」(パラオのツアー会社幹部)>

   ウンザリするという言葉がこの人にはピッタリだ。『週刊文春』が報じている石原伸晃環境相がまたまた外遊先で遊びまくっていたという話である。

   昨年6月(2013年)に国際会議に出席のため沖縄を訪問した際、座間味島近海で「サンゴの回復を確かめる」と称してダイビングを楽しみ、8月には欧州三か国を外遊したが、フランスでは公務は1件だけ、2日目にはボルドーを訪ねて大量のワインを購入した。

   こうした優雅な外遊が「金目」発言とともに問題視され、不信任案採決までいったが、「ダイビングはしていません」といい張りかろうじて不信任を逃げ切ったのに、またである。

   今度は世界有数のダイビングポイントのあるパラオ共和国を1月11日(2014年)から15日まで訪問し、その間に寸暇を惜しんで(?)ダイビングではなかったがシュノーケリングに興じたというのだ。

   その場所がいけなかった。パラオ近くのペリリュー島だったのだ。この島では第二次大戦中に日本軍と米軍との間で死闘が繰り広げられ、日本軍約1万人のうち生き残ったのはたった120人ほどだったという。この島を慰霊に訪れたいと天皇陛下が訪問を強く希望している、いまだ2500柱の遺骨が残っている歴史的な場所である。まさか石原氏はシュノーケリングをしながら追悼したとでもいうんじゃないだろうな。

   また、この時期は核汚染物の中間貯蔵施設について地元に説明に行くべき時期だった。大臣がやるべき仕事をせず、海遊びをしていたのでは大臣失格だが、こうした人間には蛙の面に小便であろうが。

   週刊文春は自民党が驕っているからこういう輩が跋扈するのだといっているが、その通りだ。

公明党の本性見えた「山口代表インタビュー」なにがなんでも政権ぶら下がり

   自民党への怒りは滋賀県知事選にも表れた。「卒原発」を前面に掲げた三日月大造氏が、自民、公明が推薦する元経産官僚の小鑓(こやり)隆史氏を小差だが破って当選した。当初は小鑓氏圧勝といわれていたのだから、やはり安倍首相が無理矢理推し進めた集団的自衛権行使容認が形勢を逆転させたこと間違いない。

   『週刊朝日』はその安倍首相に前に屈した公明党山口那津男代表をインタビューしているが、自己弁護のオンパレードである。平和の党など建前であることわかってはいたが、土壇場での腰砕けで、公明党という党が権力にしがみつき自民党のバシリでもなんでもやるということが明白になった。山口代表はこういっている。

<「私が反対していたのは、外国の防衛を目的とする全面的な集団的自衛権の行使。今回の閣議決定ではそれを認めていません。あくまで自国防衛のための武力行使で、限定的なものになっています。いわゆる集団的自衛権は認めていない。個別的自衛権に毛が生えたものと、そう理解しています」>

   それなら集団的自衛権など必要ないではないか。なぜそれを貫かなかったのか。このインタビューで一番の問題だと思うのは次の発言。

<「我々から見ると、集団的自衛権に関心があるのは世論調査で1割あるかないか。優先順位が低いのに、新聞・テレビで四六時中載っている。これがずっと続くのは異様です。国民が関心を持っていないテーマに、莫大な政治的エネルギーを使うことがいいことなのか」>

   ふざけるなである。国の形を変え戦争のできる国にしてしまおうという戦後最大の悪企みに関心のない国民がアホなのである。景気や原発政策も重要だが、国民を戦争に駆り立て、若者の命を捨てさせようというふざけたやり方に対し、徹底的に国民にわかるように論議を尽くすのが政治家ではないのか。

   国民に関心がないから、与党を離れてまで戦うほどのテーマではないからと考えているから、安倍首相にハナから舐められてしまうのだ。それが証拠に、7月14日のasahi.comは安倍首相がこう発言したと報じている。

<安倍晋三首相は14日午前の衆院予算委員会の集中審議で、他国への攻撃に武力で反撃する集団的自衛権を使う例として、中東・ペルシャ湾のホルムズ海峡を挙げ、「仮に機雷が敷設された場合、相当の経済危機が発生したといえる。日本に向かう原油の8割はそこを通る。誰かがやらなければ危険はなくならないわけで、我が国の国民生活に死活的影響が生じる」と述べ、自衛隊が機雷除去をする必要性を強調した。
   首相が1日の閣議決定後、国会で答弁するのは初めて。集団的自衛権の行使が地理的にどこまで許されるかは、政府・自民党と公明党の間で焦点となっていた。(中略)
   公明党は武力行使の新3要件に「根底から覆される明白な危険がある」との文言を盛り込み、朝鮮半島を含む日本周辺での有事に基本的に限るとみている。首相の答弁は、今後の法案提出までの与党内調整に影響を与える可能性もある>

国民の金で大バクチ!日本株買いで政権維持目論む安倍首相―投資失敗したら年金資金パー

   安倍首相は彼の最終目標である憲法改正までの青写真を描き、一気に押し進めようとしている。そのためには9月といわれる北朝鮮訪問と拉致被害者の奪還、その喝采の高まりが冷えないうちに解散・総選挙を行い自民単独で3分の2の議席を獲得することである。

   『週刊現代』はもしそうなったら安倍自民党はいまの294議席から350議席へと大躍進し、躊躇することなく憲法改正に手をつけるだろうと見ている。そううまくいくとは思わないが、では拉致被害者は誰が戻ってくるというのだろう。

   『週刊ポスト』は有本恵子さんひとりではないかと見ている。なぜなら、有本さんはよど号ハイジャック犯の妻が甘言をもって北に入国させたので、北からいわせれば拉致ではなく本人が望んだと主張できるからだというのである。安倍首相の父で自民党幹事長だった晋太郎氏の時代に、有本さんの両親の訴えを聞いたのが秘書だった晋三氏だったということもあり、安倍首相には思い入れがあるという。もちろん有本さんひとりだけで安倍首相も納得するはずはない。だが、第2、第3のリストを小出しにして、北朝鮮は日本からの援助を引き出す作戦だと警鐘を鳴らす。

   週刊現代は帰ってくるのはよど号犯がヨーロッパで拉致した有本さんを始め、石岡亨さん、松木薫さんの3人ではないかと推測している。

   この中に横田めぐみさんの名前はない。拉致被害者の象徴であるめぐみさんが戻らないのであれば、日本政府が認定している拉致被害者は残り12人だが、日本人が納得する解決は難しいだろう。よって解散・総選挙で自民党圧勝など夢のまた夢である。

   安倍首相の企みはまだある。週刊現代によれば、厚労省が所管する「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」の潤沢な資金を株購入に使えるようにし、株高を演出したい安倍首相が厚労省を意のままに動かすために、財務省から人間を送り込んで、村木厚子厚労省事務次官(59)を「いびり出せ」と指示しているというのである。

   そもそも女性を登用する方針を打ち出し、その目玉として彼女を抜擢したのに、都合が悪くなるとポイ捨てするのであれば、女性票さえ失うはずである。週刊新潮では4月までGPIFの運用委員だった小幡績慶大准教授が、安倍のやり方に疑義を呈している。

<「政治が日本株で運用するべきなどと具体的な方針を決めるのは運用の失敗をもたらす。積立金は国民から集めてきたお金。それを勝手な政治判断で十分な議論もせずに運用しようというのであれば、国民に対する裏切りです」>

   週刊新潮は<虎の子の老後の資金が政権維持のために使われようとしている>と結んでいるが、130兆円といわれる年金資金のうち20%でも26兆円になる。それがリスクの高い株投資に使われ損失を出したら、安倍首相は腹を掻き切る覚悟はあるのだろうか。

「個人情報過保護社会」孤立老人の情報共有できない自治体、警察、民生委員、病院

   ベネッセホールディングスから顧客情報が流失した問題は、テレビや新聞は騒いでいるが、どうもわかりにくい。週刊文春はこうした情報が悪用され、詐欺集団が情報をもとに、子供をいい学校へ入れたい親に裏口入学を持ちかける詐欺などに利用される可能性があると心配している。ありえる話だとは思うが、いまひとつなるほどとはいかない。

   週刊新潮がその「素朴な疑問」に答えてくれているので紹介しよう。週刊新潮らしく、この問題が起きてからも、テレビで「(個人情報が)流失して怖いです」と話している母親の住所や氏名がテロップで流れたり、ベネッセで出している妊婦向け雑誌に子どもとママのツーショットが山ほど掲載され個人情報が日々流出しているのは奇妙ではないかと書いている。

   フェイスブックやブログに子どもと一緒に写っている写真を何の考えもなしに載せているのに、新聞やテレビが騒ぐと、自らが個人情報を流出させていることなど忘れてしまうのだろうか。

   個人情報保護法は2005年に全面施行されたが、そのために個人情報は絶対保護されなければいけないという言葉だけが一人歩きし、多くのおかしな現象を引き起こしていることは何度となく報じられている。

   例えば、PTA名簿がひとりの親の反対のために作れない。幼稚園では運動会での個別撮影を控えるように指示される。週刊新潮には、日本海に流れてくるゴミの漂着写真を新潟県のある都市に頼んだら、漂着ゴミの中に中国語やハングルで書かれた文字が個人情報にあたるとまずいと断られた、柔道のトーナメント表に氏名を載せようとしたら保護者に断られ、A君、C君としか書けなかったというバカバカしい話が載っている。

   笑ってばかりはいられない。いま一番の問題は、老人の孤独死を防ぐために不安のある年寄りたちの情報を自治体や警察、民生委員が共有しようとしてもできないことだ。そのため、和光市などは高齢者たちから一筆をとって情報を自治体、警察、民生委員と病院で共有して介護モデル地区になっているが、これは人口8万人ぐらいの規模の街で、歴代トップが強いリーダーシップを持っているからできた希有な例である。

   その他にも、以前は学生がOB訪問をしたいと就職担当者に頼めば、卒業生を紹介してもらえたのに、いまでは個人情報保護を盾に教えてもらえないため、志望する会社の前で話をしてくれる人間を探さなくてはいけない。

   また、週刊新潮にはこんなケースもあるという。隣家の住人がナイフをちらつかせていたり奇声を発していたりすると、子を持つ親としては心配なものだが、民生委員や町内会、自治会に頼んでも、プライバシーを理由に改善策を講じてくれなくなった。

   危険を感じる人間がいた場合、一般人がその人物に対する診察や必要な保護を申請できるが、申請者の氏名や住所は相手に知らせるのが原則なので、とても怖くてできない。「周囲が危険を感じるような人物については個人情報が厳重に保護され、申請する側の個人情報は相手に筒抜けになるのだからおかしな話です」(精神障害者の移送サービスを手がける「トキワ精神保険事務所」の押川剛所長)

   ベネッセの情報流出事件は徹底解明されなくてはいけない。だが、誤解を招くいい方になるかもしれないが、これぐらいの情報はどこからでも取れる情報である。それが証拠に、何か問題発言をした人間の個人情報があっという間にネットに晒され、その人間の家の前に人が集まるのは日常茶飯事である。個人情報保護法を作った人間がこうした事態を考えていなかったからだが、早く改正して情報を共有することができるケースを具体的に明示すべきだ。

   PTAや学校OBの名簿は学校関係者には開示する。病院は近親者の問い合わせには答える。高齢者の病歴や身体の状態については、自治体他で共有できるなどしなければ、このバカバカしい個人情報『過保護』は日本社会全体をおかしくしかねない。

   その上で、絶対守らねばならない個人情報を流出させた国や企業、人間には厳しい処分をもって臨むのが真っ当な社会だと思うのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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