2024年 4月 19日 (金)

早稲田も上智もいる「高学歴風俗嬢」弁護士めざして稼げるソープ嬢…背景に親の仕送り減

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   私は小説雑誌をやったことはないが小説を読むのは好きだ。週刊誌のような雑駁なものをやっていたのに意外と思われるかもしれないが、純文学系をよく読む。芥川賞受賞作はだいたい読んでいるが、ここ10年ぐらいだろうか、深い感動に打ち震えるような作品に出会うことは希である。今回の柴崎友香の「春の庭」も、読み終わってなぜこの作品が受賞したのかわからないので「芥川賞選評」を読み直したぐらいである。

   話は単純だ。各部屋に干支が付けられた古いアパートの住人たちと、その前にある豪邸に住んでいた有名人夫婦が残した家の写真集をめぐる物語である。ストーリーにさほどの工夫があるわけでもなく、はっとさせられる表現や描写があるわけでもない。それは山田詠美が取り上げているこの描写でわかるかもしれない。

「時折、屋根や木の枝から雪が落ちる音が聞こえた。音が重さそのものだった。白い結晶の塊は、温度を吸い取っていった」

   音が重さそのものというところが芥川賞っぽいが、私には既視感があって素直に読めなかった。

   奥泉光がこの作品を「作品の狙いは或る程度理解できたものの、当の狙いがいまひとつ実現できていない印象をもった」という評価をし、小川洋子は柴崎が書くべきものを確かにつかんでいるが、「それを掌の肉に食い込むまで強く握りしめている。その痛みを決してこちらに見せようとしない柴崎さんの粘り強さに、祝福を送りたい」という訳のわからない書き方をしていることから見ても、賞にふさわしい作品だとみんなが考えていたわけではないだろう。

   実際、3作品が残り、最後まで決まらず、村上龍のように「わたしは、三作品いずれも評価できなかった」という選者もいた。ならば該当作なしにすればいいものを、出版社の都合で(文藝春秋だけではない)受賞作を出さなければならないから『妥協の産物』が生まれてしまうのではないか。

   失礼だが選者の人選もあるだろう。いろいろいわれたが石原慎太郎は毎回難癖を付けてはいたが、選評を読むと頷けるところが多かった。だが、いまの選者たちの多くは石原ほどの目をもっているのか、疑問である。

   柄にもないことを書き連ねてしまったことをお許し願いたい。これも芥川賞を愛すればこそである。

私のテクに感じて「気持ちいい」って言ってくれるのが嬉しくて、やりがい感じる

   私の吉永小百合が主演兼共同プロデューサーを務めた映画「ふしぎな岬の物語」でモントリオール映画祭審査員特別グランプリに輝いた。『週刊文春』のグラビアに嬉しそうな小百合が出ている、目出度い。

   小百合の不幸は岡田某と結婚以来、これといった作品がないことである。何十周年記念という謳い文句の映画に出てはいるが、どれもこれも代表作とはいい難い。今度の作品は本選びから彼女が関わっているそうだから、少しは期待できるかもしれない。

   『週刊ポスト』は高学歴の風俗嬢が増えているという話をやっている。それほど珍しいとは思えないが「酒飲み話のネタ」ぐらいにはなる。日本の風俗嬢に詳しい中村淳彦氏が、90年代にも風俗で働く女子大生はいたが、彼女たちはブランド品や遊び代を稼ぐために働いていた。いまは学費や生活費を稼ぐために働くのが多いという。女子大生哀史のような話かと思ったら、当人たちはあっけらかんとしている。背景には、地方から出てきている女子大生の親からの仕送りが1996年は月平均10万円強だったのが、2013年には7万円強に減っていることがあるそうだ。

   早稲田大学法学部4年、23歳の娘はソープで働いている。弁護士を目指している彼女はキャバクラで働いていたが、しゃべって飲んでという仕事に疲れたという。そこでキャバクラの5倍稼げるソープに移った。<「お客さんが私のテクに感じて『気持ちいい』って言ってくれるのが嬉しくて、やりがいを感じるようになりました」>

   興味深いのは、この特集の中に早稲田大学の現役が2人、上智大学の現役と卒業生2人がいることだ。早稲田は人数が多いから風俗で働く女性も多いのはわかるが、上智に多いのはなぜか。私は上智大学で教えていたことがあるが、学内は女子アナ志望とおぼしき女性たちが大勢闊歩している。恐らく派手さでいえば青山学院大学と双璧をなすのではないか。もちろん、だから風俗へ入る女性が多いというわけではないが、私から見て、あれだけの服装をするのはカネがかかるだろうなとため息をついたものだった。

   一度、学校別風俗嬢ランキングでもやってくれないかね。どこの女子大生がテクニックがうまいとか、美人度が高いとか。

「今でしょ!」に敗れた代ゼミ―ところがどっこい、駅前一等地で不動産ビジネス

   われわれの世代には懐かしい代々木ゼミナール凋落の話が『週刊現代』に載っている。代ゼミは全国27の校舎のうち、仙台、池袋、横浜など20校舎を閉鎖し、一部の全国模試も廃止するなど事業を縮小して、同時に40歳以上の職員の早期退職を募集すると発表した。

   その理由として、少子化に伴う受験人口の減少や現役志向の高まりによる浪人人口の減少などの外部要因を挙げているが、週刊現代によれば<詰まるところは経営陣が先を読めていなかったため、事業縮小に追い込まれた形といえる>ようだ。

   われわれが大学に入るときはそうでもなかったが、しばらく後から「一浪二浪は当たり前」の時代になり、予備校は高校と大学の中間の学校のようなものであった。少数制ではなく、どんな偏差値の低い者でもおいでおいでをして大教室に詰め込み、一方通行の学校と同じような講義をしたから、やる気のない人間は寝ているか早々に抜け出して遊びに行ってしまった。

   それでも代ゼミというだけで浪人たちは集まってきたのである。だが、いまはどこでもよければ大学は簡単に入れる。しかし、それでは卒業してから就職先がないため、国立や理系を志望する者が多く、そのための少数精鋭塾が伸び、代ゼミが凋落していったのは必然だったのであろう。

   創業者が亡くなったことも大きいという。だがこういう声もあるようだ。<「二代目の高宮英郎さんは、決して手をこまねいていたわけではありません。理事長に就任してから難関中学校受験で圧倒的な実績を持っていた『SAPIX小学部』を買収するなど、先を見据えた経営に舵を切っていました。ただ、ターミナル駅の一等地に巨大校舎を構えて、大部屋に何百人も収容して授業を行うという代々木ゼミスタイルが時代遅れになる中で、転換が遅れてしまったのもまた事実」(大手予備校講師)>

   そんな代ゼミを横目に見ながら躍進したのは「今でしょ!」で有名になった林修氏を講師として抱える東進ハイスクール「ナガセ」である。

   90年代初頭に30万いた浪人生が今では12万から13万人に激減しているのだ。<さらに、学生はリーマンショック後、学費が安い国立大学や就職に強い理系学部を狙う傾向を強めていった。多くの学生が、国立・理系に強い駿台や河合塾を選ぶようになり、私大・文系に強い代ゼミのニーズが急速に失われた」(亀井信明・高等教育総合研究所代表)>

   ところがどっこい、経営が危ないという話が浮上してきてから、代ゼミは駅前の一等地に優良な土地を抱えているため、いずれ不動産業に転身するのではないかという声が業界内で出ているようだ。これも昭和の終焉を告げる出来事のひとつなのだろう。

大魔神・佐々木主浩の長女―涙で語った「継母・榎本加奈子」酷すぎる仕打ち

   週刊文春の阿川佐和子対談に直木賞を受賞した黒川博行氏が出ている。大阪に住み大阪弁の主人公を描き続けてきた遅咲きの書き手である。そういえば以前ここにも書いたが、黒川氏は週刊現代の岩瀬達哉の連載でグリコ・森永事件の真犯人ではないかと書かれ、講談社などを名誉毀損とプライバシー侵害で訴えていたはずだが、どうなったのだろう。

   Wikipediaの記載なので自信は持てないが、「2013年8月30日、東京地裁は講談社と当時の編集長、および執筆者の岩瀬達哉に、計583万円の支払いを命じた」とある。直木賞授賞式に出た人間から聞いた話だが、講談社の人間も何人か来ていたが早々に退散したという。原稿を頼みにくいだろうな。

   週刊文春はつくづく凄い雑誌だと思う。多少考え方に違いはあるから辛口もいうが、毎週スクープを連発する底力には恐れ入る。今週は元横浜ベイスターズの大魔神・佐々木主浩の醜聞だ。佐々木は大リーグでも活躍し、引退してからは馬主としても成功している羨ましい人間だと思っていた。

   だが、週刊文春によれば、元アイドルと結婚して一男一女をもうけたが、大リーグに移籍した03年に女優・榎本加奈子(33)との不倫がバレて離婚。佐々木は2人の子供の親権を持ち、榎本は正妻になり2人の子供を産んでいるという。

   今回、佐々木というより継母・榎本への恨み辛みを告白しているのは、前妻との間にできた長女(22)である。中学1年の時、わずか自分と12歳しか違わない継母と同居した長女は、そうとう辛い人生を送ったようだ。榎本は弁当を作ってくれず、作ってくれと頼みこんでもらった弁当を開けたら「豆腐が一丁と醤油が入っていました」

   父親が不在の時は夕食も用意されていなかったことが度々あったという。耐えきれずに佐々木に内緒で実母に会いにいったら、約束を破って子供に会ったということで実母は離婚の慰謝料を剥奪されたそうだ。

   そのうち継母から「一緒に住めないから出て行って」といわれ、父方の祖母の家に行かされる。継母が実子を連れてハワイに行っているとき、佐々木が自宅に呼んでくれたことがあったが、帰国した継母が「トイレットペーパーの減りが早い」と勘を働かせてバレてしまったというから、この母と娘の仲の悪さはただ事ではないようだ。

   今年、体調が悪くバイトを休みがちなので、継母に家賃の援助を申し出たら「風俗でもやれば」といわれたという。この言葉に衝撃を受けた彼女は自殺未遂を起こすのだが、佐々木も継母も「世間にバレたらどうするの?」というばかりだった。自宅にものを取りに入ったら、不法侵入だと被害届を出され事情聴取をされたそうだ。

   これに対して佐々木のマネージャーが本人に確認を取った上でこう答えている。<「榎本との確執は彼女(Aさん)が一方的に思っていることでしょう。彼女の被害妄想もあると思う」>

   被害届は反省を促そうと佐々木が出したそうだ。

   長女側の、なさぬ仲の継母への恨みや一方的な思い込みはあるのだろう。だが、実の娘にここまで告白されてしまうのは父親として問題なしとはいえないはずだ。

   佐々木は「僕の教育が間違ったのかもしれない」といっているそうだが、父親としての役割を果たし、長女にそれなりの愛情を注いできたのだろうか。これを読む限り、大魔神は父性に欠けたところがあったといわれても仕方あるまい。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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