2019年 6月 19日 (水)

「私たちは香港人!中国人じゃないんだ」北京政府の『政治・経済押し付け』に若者たちの反乱

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   香港の騒乱が収まらない。返還から17年、これほど揺れたことはなかった。長い植民地支配で政治意識は低く、民主的な自治の経験も乏しかった住民が政治に目覚め(覚醒と呼ぶ)、「香港人」というアイデンティティーを打ち出しているという。何が彼らを動かしているのか。

   直接的には中国政府が出した3年後の行政長官選挙の仕組みだ。18歳以上の500万人が1人1票を行使する初めての民主選挙だが、候補者は中国寄りの指名委員会が選ぶとされた。これでは民主派の候補が出る余地はない。民主とは名ばかリだ。

   もうひとつが6月に出された香港統治のあり方をまとめた白書。この中で「高度の自治権は中国政府が授けたものだ」とあった。これにも反発する。1997年の返還で、英中両国は「1国2制度」で合意した。香港は今後50年間、高度の民主的自治を維持するという内容だった。

「1国2制度」守り切れるか

   先月28日(2014年9月)、数万の学生、市民が抗議のデモを行い、政庁舎前の道路を占拠した。政府は特殊部隊を投入して大量の催涙弾を投じたが、鎮圧には失敗した。デモ隊は傘で催涙弾を防いで「傘革命」と称し、士気は高まって、10月1日には10万人規模にふくれあがった。

   19歳の学生は「中国政府の強制に自分らしさを失いたくない。香港人としてのアイデンティティーを守る」と語る。とりわけ言論統制への反発が強い。「自分の未来は自分で決める。そのためには情報が必要だ」

   21歳の学生は母親と口論していた。母親は「中国は14億人、香港は700万人。政治的要求なんか無駄だ」という。学生は「こうなったのは政府の監視ができないからだ。ここは中国じゃない。香港なんだ」

   背景にあるのは、中国の政治的経済的影響力の増大だ。返還時は香港の経済力は中国のGDPの16%を占めていた。それがいま3%だ。大陸の経済はそれだけ伸びた。経済の大陸依存が強まって、香港市民の生活基盤が揺さぶられている。

   端的な例が不動産価格の高騰だ。大陸から巨額の投資が流れ込んで、若い世代はもう家を買えない。香港では家をもって一人前、結婚もできるという感覚がある。それができなくなった。「37平米のアパート、6300万円」の札の前でカップルが「高い、高い」と笑っていた。

   政治面では2012年、政府は中国式の愛国教育を導入しようとした。学生が反発して座り込みを続け、政府が撤回した。学生にはこれが「成功体験」になって、今回の運動につながったといわれる。

文   ヤンヤン
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