2022年 7月 2日 (土)

水道がなくなる!?耐用年数過ぎボロボロ...追い付けない自治体の施設更新

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   蛇口をひねればいつでもどこでも安全な水がある。普及率97.7%、総延長60万キロ――世界一といわれた日本の水道がいま危機にある。高度成長期に整備された水道が一斉に耐用年数を迎えているのだ。水道管事故が年間2万6000件と急増している。自治体は「このままでは維持できない」というが、料金収入が減り、更新の予算も計上できない。

人口減少で使用量減り値上げもできず...

   埼玉・秩父市役所の休み明けの朝は電話で始まる。水道管の漏水・破裂の通報だ。年間700件もあるが、担当者はたった1人。耐用年数の40年を過ぎた水道管は総延長600キロの2割、120キロもある。毎年10キロが耐用年数に達するが、更新できるのは6キロだけだ。漏水率は実に30%にもなる。

   秩父市は11年前に水道管の更新計画を立てた。給排水管の更新に41億円が見積もられた。料金値上げはせず企業債を出した。企業誘致で使用量が増えると見込んだのだ。実際は、逆に企業は流出し、人口は減って赤字になった。計画は縮小せざるを得ず、水道管更新は大幅にペースダウンした。今年度中の料金改定が検討されている。「あのとき手を打っていれば(料金改定)、ここまでにはならなかった」と担当者はいう。

   日本の水道は市町村の公営事業だ。施設の整備・更新は水道料金で賄い、独立採算が原則である。一方で、水質、設備は全国基準だ。しかし、地方は人口減少で水道使用量が減り、料金収入が施設更新費用に追いつかなくなっているのだ。この危機に、総務省は今年(2014年)、全国の自治体に水道管の更新計画を立てるよう求めた。料金見直しはもちろん、施設や設備の廃止・統合、完全民営化も視野に入れるよう求めている。大村慎一・公営企業課長は「最悪の場合、老朽化が放置されることもありうる。先を見た工夫が必要です」という。

   京都市は昨年、更新計画を立てた。きっかけは2011年の水道管破裂事故だ。老朽管が破れ、周囲のガス管まで破損して、市がガス会社、近隣住民へ払った補償は10億円にもなった。計画では浄水場の一部廃止、職員削減と32年ぶりの料金値上げで81億円を捻出、年間の水道管更新も14キロから30キロに増やした。

   ところが、予想より早く壊れるケースが続出した。土地が酸性で腐食が早かった、工事を急いだために地表に露出していたなど、思いもよらぬ事態に苦戦している。

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