7年使ってるPCから出てきた「昔の企画」ああ、そんなグラドルいたっけ...いまや無名

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   それはまるで古いアルバムをめくるかのような気分だった。当時の記憶がよみがえってくるとともに、ちょっと切なくなる。そして、時の流れの速さにブルっと震えてしまった。

   私のノートパソコンの話だ。いま使っているのはレッツノートCF-W7。これを買ってもう7年ぐらい経っているかもしれない。それでも使えているのがこのレッツノートの強みである。でも、強くガンガンと打ち付けるのでキーボードの表面は爪のミゾがつき、ズボラ性格も手伝って、それぞれのキーの縁は手あかで黒くなっている。よく使うNとなぜかWのキーはとうにどこかにいってしまった。現在、文字を表す部分を支えるクッションのみとなっているNとW。そのクッションもたびたび外れるので、アロンアルファで固めてある。そんなワケで私のノートPCは会議や編集所で取り出すとたいてい驚かれる。

   「よくそうなるまで使ってますね、超年代モンじゃないっすか」 たしかに。でも、このノート、相棒は壊れないのだよ。壊れる前に買い替えないと大変なことになるのはわかっているけれど、今まで使ってきたどのノートPCよりも使い勝手がいいし、とにかくタフだ。

   同じ機種を今夏まで使っていたディレクターがいたけれど、彼女の相棒はついにお払い箱に。マックに乗り換えたのを見て少し悲しくなった。お互い長時間パソコンを酷使する仕事だけれど、彼女のほうが編集作業など負担がかかったのかもしれない。アンティークのようになってきた相棒をいつまで使えるかしらねと笑い合っていたのに。そう言えば、3・11の時、一斉に屋外に避難しても、彼女は企画書を今日中に送らなくちゃと道端でノートPCと向き合っていたっけ。あれには本当に驚いた。

切ないブログ「みなさんわたしにお仕事ください」

   さて、そんな長年愛用している私の相棒も最近は立ちあがりに時間がかかるようになったし、フリーズする回数も増えてきた。人並みに内部メンテナンスをしているつもりだけど、とにかくHDD容量をギリギリまで使っている。そこでしばらく開いていないファイルを点検・移行し、いらないものは消去することにした。

   すると、出てくるのは無我夢中でガムシャラに書きまくっていたものばかり。睡眠不足を自慢したりしていた頃に作ったあらゆる企画書、台本、リサーチ資料などなどがある。この中で日の目を見ることができたのはごくわずかだ。懐かしい思いであれこれ開いて見ていると、あるグラビアアイドルのために作った企画書が出て来た。ファイル名を見ただけでは、彼女が誰だったかもわからなかった。といっても、わずか5年前に作った企画書である。資料を開いて、自分が企画書に貼り付けた彼女の画像を見て、ようやく思い出した。

「そういや、この子いたわ、そうだった...」

   当時、芸能事務所から頼まれた師匠の孫請けとして書いたその企画書は、結局お蔵入りだった。あれから少し彼女は活躍したけれど、今は本人に会った私ですら名前も忘れてしまうほどだ。検索してみると、まだ芸能活動をしている。ブログによると、地上波の全国出演はここ数年ほとんどないが、ちょこちょことWEB番組や地方局制作の番組には出演しているようだ。しかし、ブログ中の一文が切なかった。

「みなさんわたしにお仕事ください」

   そうはっきりと書かれていた。あぁ、見てはいけないものを見てしまったような気まずさ。複雑な思い。私はその企画書のデータだけは消去できなかった。

モジョっこ

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