高齢者に増えてる「ペット依存的愛着」話し相手は犬や猫だけ...人間関係こじれ孤立

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   少子高齢化社会が進み、高齢者の「お一人様」暮らしが増えているが、イヌやネコなどをはじめとするペットと暮らし、彼らが大事な家族、大切な伴侶となっている高齢者が少なくない。高齢者とペットに詳しい社会学者の奥野卓司・関西学院大学教授は「高齢者がペットを飼うことでまず癒されるし、たとえば定年退職して社会との繋がりがなくなった男性がイヌを飼うと、散歩に出かけたり人と会ったりして社会デビューにもなります。いい面がすごく強いですね」と話す。

「家族よりも親しみを感じる」「心の内を打ち明ける」

   一方で、高齢者とペットをめぐるさまざまな問題も起きている。高齢者が飼いきれなくなって手放されるペットが続出しており、飼い主の死後、大量のペットが放置されているケースがある。また、飼い主がペットに依存的な愛着を持ち、ペットとの関係ばかりを強めていった結果、人間づきあいや社会との接点を失い、むしろ孤立するケースも相次いでいる。

   1匹の飼い犬を残して死んだある70代男性は、近所づきあいはほとんどなく、肺がんをわずらい衰弱して死んだが、周囲には亡くなる直前まで気付かれなかった。男性の話し相手はもっぱらイヌだったからだ。近所とはそのイヌの鳴き声や臭いが理由でたびたびトラブルになっており、それが孤立を深める一因になっていた。

   北海道武蔵女子短期大学の金児恵准教授によれば、ペットに対して「家族よりも親しみを感じる」「心の内を打ち明ける」などは、ペットに対する「依存的愛着」を示しており、そうした飼い主は自分の生活の質への満足度が低い傾向があるという。「身の回りに実際的な問題が起きたときに助けてくれるのは(ペットではなく)やはり人間。人との関係が断たれてしまえば、サポートが得られなくなってしまう」

NHKクローズアップ現代(2014年11月11日放送「どう過ごす ペットと老いの日々」)

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