堀北真希も色褪せる矛盾だらけの「時代置き換え」 貧乏女工が新幹線で上京してキャバクラ勤め!? 嘘っぽい悲劇性
<松本清張 二夜連続ドラマスペシャル 第二夜 霧の旗>(テレビ朝日系)

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   このドラマは何度見たことか。印象に残っているのは柳田桐子を山口百恵が演じた1977年の映画である。高利貸しの老女を殺害した強盗殺人容疑で兄が逮捕され、獄死する話であるが、今回のドラマでは兄が知的障害のある弟に変更されている。
   柳田桐子(堀北真希)はテレビで見た人権派弁護士の大塚欽三(椎名桔平)に、無実の罪で逮捕された弟・正夫の弁護を頼んだが断られ、弟が獄死してから上京し、夜の蝶になって大塚に復讐を遂げる話である。
   何が気にくわなかったといって、時代を現在に置き換えたための、毎度おなじみの矛盾である。九州といってもひとっ飛びの今は、新幹線でも半日かからない。テレビやネットで流行はすぐ田舎にも伝わるから、ファッションで田舎育ちの桐子のダサさを出すわけにもいかない。工場勤めの桐子が貧乏な中から旅費を工面して、やっと上京する苦労が全く伝わってこない。原作の時代ならば、東京―大阪が特急でようやく6時間近くになった頃で、九州―東京は2日がかりだったのだ。だから、思い詰めた桐子の悲劇性が嘘っぽい。
   また、桐子が大塚の愛人の径子(木村佳乃)の無実を証明できる立場にありながら、嘘をついて復讐するくだりも、堀北の無表情だけでは説得力に欠けた。キャバクラ嬢になってからの堀北のファッション比べを見ているようで、登場人物の内面が伝わってこないし、大塚の雨の中の土下座は、知的な弁護士にしては工夫がなさすぎだ。(放送2014年12月7日21時~)

(黄蘭)

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