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イスラム国人質「後藤健二」母親が会見「息子は平和のために活動しています」

   「イスラム国」の日本人人質の身代金要求はきょう23日(2015年1月))午後2時50分だが、人質の後藤健二さん(47)は昨年10月25日にイスラム国の支配地域に入る際、「自由シリア軍」の検問所で「(入域の)許可をもっている」と話していた。

   その行動について、後藤さんの母親の石堂順子さんは、後藤さんの妻の話として「友人(もう1人の人質の湯川遙菜さんのこと)を救出するためだった」と語った。母親はこれまで詳しいことは知らなかったというが、殺害予告の時間が迫り、「イスラム国」に直接呼びかけるため公の場に出てきたという。「息子は平和のために活動しています。(イスラム国の)敵ではない」

日本政府現地本部「トルコ・ヨルダン」ルートで接触

   安倍内閣はヨルダン・アンマンの大使館内に設置した現地本部で交渉を進め、ヨルダン、トルコ両政府による仲介を模索しているようだ。とくにトルコは昨年に多数の人質解放に成功しており、「イスラム国」との間に何らかのルートがあると見られている。

   ほかにも、交渉ルートとしてはイスラム教指導者、現地部族の有力者なども考えられるが、「イスラム国」は他の組織との連携が少なく、打つ手がないのが現状のようだ。ソーシャルメディアなどで中東支援の2億ドルが人道的なものであることを伝えるのが精一杯で、これまでのところ「イスラム国」側の動きは見えない。

イスラム法学者・中田考氏「私が行く用意がある」

   そんななか、「イスラム国」の幹部と親交があるというイスラム法学者の中田考さんが「私には人質解放を申し入れるパイプがある。交渉ができるのであれば私が行く用意がある」などと話し、アラビア語の「釈放」を求めるメッセージを出したが、政府からの求めはないらしい。

   中田さんは昨年、「イスラム国」の戦闘員になろうとした北海道大の学生に関わったとして警察に事情を聞かれている。他にも接点のあるジャーナリス トがいるが、いずれも外務省は無視している。

   番組が始まった時点で、司会の加藤浩次は「あと6時間」といった。「身代金を払うことになるのでしょうか」と言う。表向きは払うのは難しい。金額もけ桁外れで、「イスラム国」には目的は別のあると見る向きもある。いずれにせよ、見守るしかない。