雪国じゃないのに大雪・雪害なぜ多発?日本近海で次々爆弾低気圧

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   きょう30日(2015年1月)は東京都心でも積雪があったが、ここ数年、雪国ではない地域が大雪に見舞われる傾向が出てきている。先月8日には温暖な四国・徳島西部に記録的な大雪となった、800世帯、1500人が孤立状態になり、死者も出た。日本海側の豪雪地帯に比べ雪の少ない岐阜県高山市でも、積雪による倒木で電線が切れて停電が1週間も続いた。

   年間20人前後で推移していた雪害による死者数は、平成22、23年度には100人を超えた。今冬はすでに40人に達し、過去の記録を上回るのではと懸念されている。

海水温上昇で台風並みに強大化

   あぜ雪国でない地方に大雪が降るようになったのか。東京大学大気海洋研究所の木本昌秀教授は過去30年間に日本列島を襲った爆弾低気圧を調べたところ、日本近海で発生が増えていることが分かった。海水温の上昇が関係しており、このまま温暖化が進めば、巨大低気圧の発生はさらに増加すると予想する。

「大量の水蒸気をふくんだ低気圧が急発達すると、今まで以上にベタ雪、ドカ雪みたいなことになり、頻度が増えてきます。雪害に対する対策を周到にとる必要があると思います」

   今月17日、北海道中標津町は2つの低気圧接近を受けて、暴風雪災害対応本部を立ち上げ職員8人が泊まり込みで警戒に当たった。おととし3月の暴風雪で、立ち往生した車に閉じ込められ4人が亡くなる辛い経験があったからだ。まず吹雪で事故や立往生が起こりやすい道路を早々と閉鎖し、爆弾低気圧が最も接近する8時間前には主要道路をすべて通行禁止にした。この早めの対策によって一人の犠牲者を出さずに乗り切ることができた。

想定外の積雪量で除雪間に合わなくなった前橋市

   雪がほとんど降らない群馬県前橋市でこの冬から新たな除雪体制がつくられた。昨年2月、従来の記録の2倍を上回る78センチの積雪があり、市の対応力を超えた。各地で交通が寸断され、主要道路の開通までに1週間もかかった。原因は除雪が行政ごとに行われていた縦割りの弊害だった。

   前橋市以外にも除雪を国道、県道、市道と別々の業者が担当していたため、除雪がすすまないケースが多発している。そこで国土交通省が中心になって、今冬から除雪路線の優先順位決めて新体制がスタートした。

   防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの上石勲センター長はこう話す。「(雪国だけでなく)雪害がどこで起きてもおかしくない状況になっています。私どもの研究機関で雪害の予測を始めているところで、吹雪がいつ発生していつ終わるかを1日先まで試験的に情報提供しています。今後は精度を上げる必要があります」

   近田雄一キャスター「雪害を減らせないものですか」

   上石センター長「いろんな知恵を集めれば減らしていけるのが雪害だと思っています。雪国でないところに雪が降るようになっているので、雪国の知識、たとえば除雪方法や道具など共有できればいい。それには日頃のつながりが大事です」

   日本列島を取り巻く気象状況が大きく変化し、場当たり的でない抜本的な防災対策の見直しが迫られている。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2015年1月28日放送「増える豪雪被害~温暖化の新たな脅威~」)

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